◆4月3日 twitterである問題が話題となった。
◆来年に向けて首都圏のライブ会場不足が深刻化するらしい。
東京厚生年金会館、渋谷公会堂、中野サンプラザなどのスムーズに2000人規模の集客を見込めるライブ会場が次々と無くなる、もしくは使えなくなる事態が生じている。
改修・閉鎖が予定されている首都圏の主なコンサート会場
東京厚生年金会館は2010年に閉館、渋谷公会堂は渋谷区総合庁舎の建て替えに合わせて今年の秋に閉館して建て替え、中野サンプラザも老朽化と再開発を理由に、20~24年頃に向けて建て直しが予定されている。残念な報を更に続けると、日本青年館は国立競技場新設のためにこの3月末で閉鎖されるし(近接する場所に17年末に開館予定)、日比谷公会堂は改修工事のため16年度から20年以降まで長期休館するという。つまり、相次いで東京のホール会場が使えなくなるのだ。
◆この問題は音楽業界の「2016年問題」と呼ばれている。
数年前から箱(=ライブ会場)がなくなるという危機感は騒がれていた。
音楽業界に大きな収益をもたらすライブ。停滞を続ける音楽業界に、さらなる試練がやってきそうだ。
「音楽業界の2016年問題」:首都圏の主なコンサート会場が来年から次々と閉鎖される。建て替えと改修が相次ぐうえ、2020年の東京五輪対応の補強工事も舞い込むからだ。
出典:音楽ホールに2016年問題 首都圏、改修や閉鎖相次ぐ | ジヨンとみゅーが中心の。☆BIGBANGにBIGLOVE♡
16年にライブ会場不足がピークになる。
◆長年ロックファンの間で『御三家』と云われていた3つのホールは?
「東京厚生年金会館」は既に2010年に閉鎖されている。
渋谷公会堂は渋谷区総合庁舎の建て替えに合わせて今年の秋に閉館して建て替えとなる。
中野サンプラザも、隣接する中野区役所の移転・再整備に伴い、21年以降閉鎖される計画が持ち上がる。
◆大規模な会場までも次々と改修工事に。
「さいたまスーパーアリーナ」も開業後15年を迎える2015~2016年度にかけて、設備の改修工事のために数か月にわたり閉鎖される予定
「横浜アリーナ」は完成後25年を経て改修を検討中であり、工事の内容によっては一時的に閉鎖される可能性がある。
日比谷公会堂は改修工事のため16年度から20年以降まで長期休館する。
◆更に問題を大きくしているのが、2020年開催のオリンピック対応の改修工事の発生
ウエイトリフティング会場となる「東京国際フォーラム」のホールAも、床などの強化工事のために一時閉鎖となる。
ハンドボール会場に予定されている「代々木体育館」は、改修工事のために閉鎖される可能性がある。
「日本青年館」は、「新国立競技場」の建設に伴い移転することになり、2015年3月末に閉鎖し移転終了後の2017年の営業再開となる。
◆この「2016年問題」が及ぼす影響とは?
「青山劇場」が来年(2015年)3月末に閉鎖される。
昨年(2013年)秋にオープンした「EXシアター六本木」は、「青山劇場」が来年(2015年)3月末に閉鎖される影響で、既に来年の夏まではスケジュールが一杯だそうです。当初予定の稼働率は70%でしたが、現在はなんと90%とのこと。このように音楽系のライブ会場だけでなく、芝居・演劇の会場も足りないという状況で、演劇界もパニックとなっているそうです。
・ライブから収益を上げるアーティストにとっては死活問題に
ライブ会場の減少は、ももいろクローバーZのように動員力のあるグループには大きな痛手となる。
「コンサート収益が見込めないということは、大きな箱でも満員にできるももクロクラスは、本当に痛い時代になるでしょうね。AKB48より動員力はありますから」(音楽ライター)
「対策はただ一つ、どこよりも早く会場を取ることしかなく、コンサートの企画会社は2~3年先までホールを取っています」とある音楽プロデューサーが現状を明かす。
「しばらく全国ツアーでしのぐしかない。ただ、地方の会場も取り合い」(音楽プロデューサー)
・新人・中堅アーティストにとっても大きな痛手となる。
各アリーナの改修工事時期がかぶることはないので、16年にどこもかしこもライブができないというわけではありません。問題は小規模・中規模クラスのライブハウスの閉鎖です。
ライブで収益を上げたい新人・中堅アーティストにとって、それらの会場が閉鎖するのは痛手。
・有名外国人ミュージシャンたちが極東ツアーから日本を外す可能性も
音楽業界には困惑が広がり、ビッグネームの外国人タレントは極力ツアーから日本を外す可能性も。
画像は英ボーイズ・グループ「ザ・ウォンテッド」が東京・赤坂BLITZでライブを行った時のもの。
大きなハコ(会場)の使用のメドが立たずに、有名外国人ミュージシャンたちが極東ツアーから日本を外す動きも出ており、音楽業界には大きな危機感が広がっている。
アリーナクラスの問題としては、海外アーティストのワールドツアーにおいて、『すでにその日程は他アーティストに会場が押さえられている』ともなれば、日本をツアー対象地から除外せざるを得ない。
出典:音楽業界「2016年問題」という危機■ドリマガ サイゾー:(・ω・)/ いろいろ
ポール・マッカートニーをはじめ、レディー・ガガやアヴリル・ラヴィーンなど大きな収益を見込めるアーティストが来日しないともなれば、音楽業界のさらなる逆風になる。
・CDが売れない時代の「音楽業界」に計り知れないほどの打撃が予想される。
音楽業界は「CDが売れない時代ながらも、ライブの動員が増えていた」
ミリオンセラー連発の90年代と比較して、CDのリリースや、配信による楽曲の売り上げに伸び悩む昨今の音楽業界において、いまや音楽ソフトと同等、もしくはそれ以上に収益をあげているのがライブ。
CDなど音楽ソフトの生産金額は、2013年はピークだった1998年のおよそ40%にあたる2,700億円にまで落ち込んでしまいました。しかし逆にコンサート等の観客動員数は伸張を続け、2013年には1990年代後半の2倍強の3,885万人にのぼりました。2004年以前は1,000億円にも満たなかったコンサートの総売上高も、2013年には2,300億円と増加しています。
Tシャツなど会場内で販売されるグッズ等を加えると3,500億円規模ともいわれます。今の音楽産業はライブ(興行)活動が支えているといっても過言ではありません。
「コンサートの利益を他でカバーできない。ライブ会場以外にグッズを売る場所もない。ジョイントライブなどで音楽業界全体が一緒に乗り切りましょう、という傾向になればいいが、箱を確保したところが手放すとは思えない。新しいライブ会場を開発するとしたら野外ですが、ライブができそうなところはあらかた使われているし、野外は天候の怖さがありますからね」(メーカープロデューサー)
◆政府もこの問題を認識していたが具体的対策は生まれず。
知的財産戦略本部会合
知的財産戦略本部(ちてきざいさんせんりゃくほんぶ)は、知的財産基本法第24条の規定に基づき、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を集中的かつ計画的に推進するため、2003年5月に内閣に設置された機関。知的財産推進計画の作成及び実施の推進を主要な業務としている。長である知的財産戦略本部長は内閣総理大臣が務める。
知的財産戦略本部(本部長は安倍首相)は、コンサートなどの会場確保が最も困難になる音楽ホールの『2016年問題』について、「業界と関係省庁が連携し、大規模コンサート会場の確保や代替施設の確保等に向けて取り組むこと」が必要と言及。
しかし大幅な財政赤字の最中、知的財産戦略推進事務局の田口重憲内閣参事官は「公的機関が造って赤字になっても(困る)・・・」と述べており、政府・官公庁がホールや会場の新設に加担することには極めて慎重な姿勢。
政府の知的財産戦略本部がまとめた「我が国の音楽産業の国際展開に向けて」では、このライブ会場の「2016年問題」に触れた上で、「我が国では観光客にアピールできる文化的な施設や場所は多数あるものの、分散して配置されているために、短期での海外旅行客を引き付ける魅力に乏しいとの指摘もある。米国におけるブロードウェイやラスベガスのように、エンタテイメントと文化発信の集積地を作ることで、世界の中での観光地としての東京の魅力を高める取組が必要であり、音楽産業はその中心的な役割を果たしていくことが期待される」としているが、とにもかくにも人を集める場所作りばかりに着眼が集中しており、音楽産業をどのように見定めているのか、疑問が残る。
◆この問題にtwitterの声は…
どうなる? 相次ぐ閉鎖による、首都圏ライブ会場不足問題 t.co/8LzyLzb0Eh @cinranetさんから
首都圏でやらなければいいだけ。気づけよ。
まじで困ったもんですなー。ソニックシティ大ホールとか、オリンパスホール八王子とか、ちょっと外れたとこのライブが増えるかもね。それか、もう野音でいいじゃん全部。 / “どうなる? 相次ぐ閉鎖による、首都圏ライブ会場不足問題 - 音楽…” t.co/ZQGtpVPtvL
どうなる? 相次ぐ閉鎖による、首都圏ライブ会場不足問題
t.co/SJxcs3n671
「ビッグネームの外国人タレントは極東ツアーから日本を外すかも」
ないと思うけど。日本は外タレにとっては大きな市場。無視できないと思うけど。
☪️H.Sasamoto(群)🦄 ⋈@sasa_mocchi
どうなる? 相次ぐ閉鎖による、首都圏ライブ会場不足問題 - 音楽レビュー : t.co/jcy0KHoJiA t.co/KZeI40247e
首都圏と言うなら郊外も入れないと。そこそこのキャパの市民会館は少なくはない。
どうなる? 相次ぐ閉鎖による、首都圏ライブ会場不足問題
t.co/ZhDLaIg4W5
厚生年金会館(閉館)、九段会館(閉館)、渋谷公会堂(建て替え)、中野サンプラザ(建て替え)、日本青年館(建て替え)、日比谷公会堂(改修工事)など。国際フォーラムは大丈夫か?
全国規模だとどうなんだろう。/東京・大阪以外だと宿泊施設が厳しそうなんですよね。 / “どうなる? 相次ぐ閉鎖による、首都圏ライブ会場不足問題 - 音楽レビュー : t.co/mdA3Q5I6Mi” t.co/DwL8GzvNqj
“[レビュー]どうなる? 相次ぐ閉鎖による、首都圏ライブ会場不足問題 / ライブ会場の「2016年問題」(テキスト:武田砂鉄) t.co/y0Rt0DPROl ”
いい機会だから会場を首都圏から地方へ
今年はライブ会場不足だなんていわれているけど、地方に目を向ければそれなりのキャパを備えた会場はある。もっとこれらの会場を活かそうという空気があっても良い