◎一岡は、延長11回を抑え、サヨナラ勝ちで勝利投手に！！
古巣からの初勝利を確信した。エルドレッドが放った打球の着弾点を確認することなく、一岡はベンチを飛び出した。延長１１回を３者凡退で切り抜けた直後、サヨナラ勝ちでプロ初勝利。
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一岡竜司
藤蔭高等学校
沖データコンピュータ教育学院
読売ジャイアンツ (2012 - 2013)
広島東洋カープ (2014 - )
◎甲子園の夢はかなわなかった高校時代
大分・藤蔭高２年の秋にひじを壊し、最後の夏も登板なく、甲子園出場の夢は果たせなかった。大学や実業団から声が掛からず悩む中、コンピュータ教育学院のチームのセレクションを薦められて入学した。
野球をあきらめかけ、父と同じエンジニアになろうと専門学校に進んだ異色の経歴。
◎自身も驚く巨人3位指名！
「正直、指名を受けるのは１０％くらいだと思っていたので、びっくりした」。２７日夕、同学院で記者会見した一岡投手本人も驚きを隠さなかった。
◎1年目にしてファーム月間ＭＶＰに選ばれる！
一岡は新人ながらストッパーとして２勝３セーブを記録。
◎二年目、一軍で9試合に登板！
シーズン途中には一軍に昇格し、前年を上回る9試合に登板。
一岡という投手はストレートを軸に、フォークも武器とする。テークバックが小さいため、球の出どころが見えにくい。最近ではシュート系の球を覚え、右打者の内角を強気にえぐる投球を目指している。
通算13試合で0勝0敗ではあるが、今年も中継ぎとして、ピンチを抑える場面もあり、このまま巨人にいれば、将来、高い確率で、“勝利の方程式”の一員として活躍できていたはずだ。
◎しかし、これからという時に…
昨年１２月２４日。２年間在籍した巨人のフロントから呼び出しを受け、ＦＡ移籍した大竹の人的補償となることを直感した。
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大竹寛
シーズン終了後の2013年11月12日に国内FA権の行使を表明。11月25日に読売ジャイアンツへの入団を表明
同期入団の僚友・今村に電話。「２人でクリスマスイブに号泣しました」と、疲れきるまで泣いて気持ちを切り替えた。
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◎巨人に感謝、別れを惜しんだ
巨人には、２年前、無名の専門学生を指名していただき、１軍の舞台にも立たせてもらった。感謝でいっぱいです。いい活躍を見せられるようにしたい」と話した。
◎巨人・豊田清２軍投手コーチも応援する
人見知りで引っ込み思案。一岡のそんな性格を知る、広島ＯＢの巨人・豊田清２軍投手コーチは門出の際、「積極的にいかないと、請われていく意味がないだろ」と声を掛けた。
豊田清２軍投手コーチ
◎新天地で人見知りを克服！
人見知りで引っ込み思案だった性格は、努めて積極的に声を掛けることによって新天地で変わった。
◎大好きなＣＨＥＭＩＳＴＲＹ堂珍から贈られた言葉…
帽子のツバに書かれた言葉を胸に刻む。「恥をかけ」。降雨ノーゲームとなった３日のＤｅＮＡ戦（マツダ）で、始球式を務めた広島出身のアーティスト・堂珍嘉邦（３５）から贈られた言葉。ＣＨＥＭＩＳＴＲＹファンの一岡が頭を下げて書いてもらったものだ。
堂珍嘉邦 CHEMISTRY
◎原監督からも気にかけてもらう
原監督からは「ジャイアンツのユニホームも似合っていたけど、カープのも似合っているな」と笑顔で握手を求められ、右腕は恐縮しきり。
原監督
試合前には巨人・原監督から「役割（セットアッパー）を守るんじゃなく、上っていかないとダメだよ」と激励された。
◎広島で開幕一軍入りを果たし、３人斬りでプロ初ホールド！
「勝利の方程式」の一員にふさわしい投球を披露し、「（ブルペンで登板前に）水をもらった時は手が震えていました。九里がいい投球をしていて、その流れに乗せてもらった」と笑顔。
◎4月26日、因縁の大竹が広島戦で勝利を挙げた
大竹とは昨年末に初対面して以来、今では「メル友」。その右腕が古巣相手に勝利した翌日に勝つのも不思議な縁だ。
◎翌日、一岡が巨人戦で勝利投手に！！
延長１１回を３者凡退で切り抜けた直後、サヨナラ勝ちでプロ初勝利。
◎一岡、古巣の前で人生初のお立ち台！！
人生初のお立ち台で「ちかっぱ良かったっちゃ（超気持ちいい）！」と、出身地の博多弁で絶叫した。
「この勝ちに慢心せず頑張らなきゃいけない」。広島が最後に優勝した９１年生まれのセットアッパーは、３年目の新人王どころかＶ奪回の使者になるかもしれない。