○基礎レベル・辞書としての参考書
化学の新研究―理系大学受験
三省堂から出版されている有名参考書 『化学の新研究』は問題を解いて勉強する参考書ではありません。教科書のように、化学の現象を学び、公式の持つ意味について勉強します。しかし、一般の教科書とは違うのが、 高校化学のレベルを超えた解説が売りです。
難関大志望者に特にオススメ。
気体の状態方程式とか、なぜその式になるのか、詳しく理解できている受験生はあまりいないでしょう。もちろん、論述せよなどといった問題が出されることは無いでしょうが、ボイルシャルルが成り立つから定数を入れて・・・といった範囲を超えて学ぶことで化学に対する深い理解、そして応用レベルでも物ともしない思考力や知識を手に出来ます。
・対象偏差値は50~75レベル
・内容はかなり厚く、読破すべきものではない。
・難易度は高く、丁寧な説明があるが時に高校レベルを凌駕した解説が行われる最強の教科書みたいなもの
独学なら新研究は必須です!独学の人は、塾の先生やチューターにすぐに聞きにいくことが出来ません。それ故、疑問を持ったまま、数日すぎたりすることがあります。これだけで問題集の勉強もストップするので、かなりマイナスです。さらに、分からないと言うことにストレスもたまります。しかも、一番怖いのが、分からなかったことを質問することを忘れてしまうことです。これで本番になって、「あ〜あのとき、疑問に思ってたことだ!」「あのとき解決しておけば〜」ということになったら最悪です。そして、その問題を解決するのが、『新研究』なのです。
出典:受験に「化学の新研究」は必要か?化学の新研究の使い方! | 化学受験テクニック塾
重要なのは、「納得できるか、どうか」納得して理解できれば、その調べた内容の定着率が全然違います。
この本には、教科書にも載っていないような高度なことも書かれているので、化学の本質を学ぶことができます。そのためか、難関大学受験生に「化学事典」として愛用されています。また、図の豊富さもこの本の強みです。化学では実験器具などもよく出てきますが、その図も説明と併せて載せてくれているので、分かりやすいです。また、現象説明のところでも図をしっかりつけてくれているので、正確な理解ができます。
この参考書には、化学の重要事項だけでなく、ちょっとした豆知識も盛り込まれています。使う、『辞書』のようなモノです。これで解決しないことはほとんどないです。
化学の新研究は、英単語帳みたいに「1日何ページ覚える」と決めて勉強する参考書ではないです。あくまでも、辞書として使うのがオススメです。
例えば、無機の勉強をしていたとします。
周期表を覚えている時に、ふと「この原子はどんな性質があるのかな?」と疑問に感じた時に、本書を使って調べる、と言った感じです。
他にも、ヒマな時間を見つけて、地理の地図帳とか資料集みたいに、自分が興味あるページをボーっと眺めるのも良いでしょう。 これだけでも、多少の学習効果は期待できます。
教科書や問題集に書いていることを鵜呑みにせず、自分なり納得できるまでとことん突き詰めていくのが重要です。
化学の新研究|武田塾厳選! 今日の一冊
出典元:YouTube
『理系大学受験 化学の新研究―化学基礎収録』!
武田塾が徹底解説
新化学化学基礎+化学 チャート式
数研出版から出されている 『チャート式シリーズ新化学』ですが、化学のチャート式の参考書になります。こちらは一応、計算問題も付属していますが、やらなくていいです。こちらの参考書も、『化学の新研究』と同様に辞書的に使用するのにとても最適な1冊です。
化学の勉強は目で見て理解する、ビジュアル面が理解に役立つことはよくあります。なので、図表としても詳しい説明が載っている辞書としても有益な参考書でしょう。
『化学の新研究』とは違いって高校レベルをそこまで超えた説明がなされることはあまりないです。
そういう理由もあって『化学の新研究』のように圧倒的に詳しい解説というわけではなく、あくまでも『詳しくてフルカラーで視覚的にもとても優れた教科書』という位置づけになると思います。
・対象偏差値は50~65レベル
・問題数はかなり少ない
・難易度は高校レベルを逸脱することないが、教科書よりもかなり詳しく分かりやすい
・『化学の新研究』のように詳しすぎるのに抵抗がある人におすすめ
○基礎レベル・解説重視の参考書
化学の最重点 照井式解法カード
河合塾の人気講師、照井俊先生による定番参考書 『照井式解法カード』は会話形式の語り口調の参考書です。このレベルの参考書にしては珍しいですが、会話形式によって化学にとっつきづらい人でも難なくこの参考書を終わらせることが出来ると思います。丁寧になった反面、少し解説がまどろっこしく感じる人もいるかもしれないです。
この参考書の最大の特徴
会話形式で進む解説ではなく、付属としてついてくる 『解法カード』と呼ばれる復習用暗記カードです。ここに、化学に必要な知識や問題を解くために必要な公式が要点良くまとめられており暗記するのに便利なつくりになっています。
ただ、それをカードにする必要ある?っていうものまでカードにまとめられているのがちょっと残念。暗記カードに慣れ親しんだ人は、これだけでも買う価値があるでしょう。さらに、詳しい解説もついているのでお買い得といえばお買い得な参考書。
これをやりきれば、無事に『化学重要問題集』に進むことが出来ます。
・対象偏差値は50~60レベル
・理論化学、無機化学、有機化学の3冊
・問題量は少ない
・問題の難易度は基礎レベル
・暗記カードがこの値段で手に入ると考えたら、詳しい解説も尽くし、かなりお買い得
化学全分野の基本事項をマスターするための良書である。
高1、2の時点で授業と平行して利用して理解度を高めるために使う方法と、高3、浪人の段階において理論化学の公式や無機化学の呈色、有機化学の物質名や分類問題など暗記しておくべき事が抜けている人がそれを補う為に使う方法がある。
出典:大学受験から医学部を経て研修医までを綴るブログ 照井式解法カード
文章は、「実況中継シリーズ」らしく語りかけるような口調であり、平易で分かりやすいものとなっている。
長所
何と言っても、「化学の問題文の読み方」を丁寧に解説してあるところです。
この参考書のように「問題文からヒントを抽出し、そこからどのような条件が読み取れるか」を丁寧に解説している参考書はなかなかないと思います。
特に私はこの参考書を読んだおかげで、構造決定問題がかなり得意になり、本番の入試でも構造決定問題に関して完答することができました。
問題演習用というよりは、「有機化学の解き方を学ぶ本」というイメージの参考書であるので、この一冊をざっと読んでから網羅型の問題集を用いて演習していけばこの短所は十分に補えると思います。
簡単な教材を読んだ後これを読んだら面白かった。
有機なのにかなり分厚くなっており、情報量が半端ないが、オールカラーで見やすく、自分は好きであった。
情報量が半端ないと書いたが、無駄な知識ではなく、実際に試験とかで活用できそうな、例えば構造異性体の判別について書かれていたり、よく出る物質については物質でまとめてあったり(アセトンやホルムアルデヒドについての利用、製法が書いてある、的な)、非常に良い内容になっている、と思います。
出典:なかなか | 有機化学の最重点 照井式解法カード【パワーアップ版】 | Studyplus(スタディプラス)
イラストが多すぎるわけでもなく、かと言って文章ばかりなわけでもなく、簡単に言い表すならば「超綺麗にまとめられたノート」という感じ
○基礎レベル・網羅系参考書
らくらくマスター化学基礎・化学
河合塾から出版されている 『らくらくマスター化学』は基礎レベルをみっちりやるための網羅系参考書です。教科書レベルから問題を多く解けるので標準レベルに行くまでに抜けをカバーすることができ、演習量を稼ぐことが出来ます。
問題数は300題近くある
『セミナー化学』を持っていない人は、入門レベルの参考書『はじめからていねいに』や『面白いほどわかる』とこの『らくらくマスター化学』組み合わせて傍用問題集として使っても良いかもしれません。
1冊で化学基礎・化学をどちらも網羅することができ、問題数も300題近くあるため、満足度の高い参考書といえます。
・対象偏差値は50~60レベル
・問題数は多く、基礎200題、応用100題
・問題の難易度は、教科書レベルとやや応用レベル
・問題量が多いので、他の参考書と組み合わせるのに最適
教科書練習問題レベルの基本問題(195題)と、入試基本レベルの例題(100題)から構成される問題集。教科書内容が理解でき、教科書の例題や練習問題が一通り解けるようになった後で取り組むと良い。章ごとに独立しているため、教科書と平行して進めてもよい。
レベルとしては私立大学医学部に出されるような問題も収録されている。しかし、実際の入試ではこの問題集に収録されているものよりもレベルの高い問題も出題されるし、この問題集は問題のパターンを全て網羅しているわけではない(代表的なものは網羅しているが、緩衝液のpH計算や気体の混合⇒燃焼反応⇒液体の水の生成のようなやや応用的な問題は収録されていない)から、これだけで入試対策とすることは出来ない。
出典:らくらくマスター 化学基礎・化学医学部受験を決めたら 私立・国公立大学医学部に入ろう!ドットコム
高校三年生の後半になってこの本をやっているようでは少し遅すぎる。
「復習を兼ねて問題集をやっておきたい」という時にピッタリです。
これだけで偏差値60を目指すには厳しいですが基礎から学び直している受験生の基礎固めに役立ってくれるでしょう。
この本をしっかり覚えておけば次の問題集もらくらくに進められます。
この一冊であればすぐに終わらせることができるので勉強嫌いな方が最初に取り組む問題集としてもいいと思います。
できる問題から挑戦して確実に一歩ずつ成績を伸ばしていけば
勉強嫌いな方でもモチベーションを維持して化学を学ぶことができます
化学(化学基礎・化学)基礎問題精講 三訂版
『化学基礎問題精講』は、旺文社から出版されている 『問題精講』シリーズの化学分野の1つです。他に、『化学入門問題精講』と『化学標準問題精講』があり、全て鎌田先生が書いています。『化学入門問題精講』は『鎌田の化学講義』の方がおすすめだったので、載せませんでした。
『化学基礎問題精講』が終わった人は、『化学標準問題精講』はもっと素晴らしい出来で、化学の定番の参考書なのでそちらも併せてどうぞ。
基礎レベルの仕上げにいい
『化学基礎問題精講』は上手くまとまっており、問題数も80題程度と短期集中で基礎レベルを終わらせることができるので、基礎レベルの仕上げにいいと思います。問題自体はたいしたことは無いのですが、特筆すべきはその 解説の素晴らしさにあります。分かりやすいだけでなく、問題を解くためのテクニック的なものも書いてあってかなり参考になると思います。
・対象偏差値は50~60レベル
・問題数は90題程度
・問題の難易度は基礎レベルからやや応用レベル
・仕上げた人は『重要問題集』か『標準問題精講』に移ろう
最終的には解けるようになりたい問題集は次の2冊である。ひとつは駿台文庫から出ている『新 理系の化学問題100選〈新装版〉』、もうひとつは旺文社から出ている『化学[化学・化学基礎]標準問題精講 五訂版』である。これら2冊は、難度でいえば甲乙つけがたいものである。とくに後者は「標準」と銘を打ってあるが、おそらく「編集部にとっての標準」という意味なので、内容は充分難しい
出典:慶應義塾大学 医学部 化学対策|医学部受験のプロ家庭教師【リーダーズブレイン】
問題の難易度は多くが基本〜標準で重箱の隅をつつくような問題は少ない