○点が伸びなくて悩んでいる
ある程度までの問題は解けても、東大特有の問題はなかなか解けませんでした。
数学の成績が向上し始めたきっかけは、「考え方の転換」です。それまでは、とにかく数学の基礎を身に付けてから問題に取り組んで解答を考え出そう、という発想でした。
しかし、それではある程度までの問題は解けても、東大特有の問題はなかなか解けませんでした。
その状態を脱することができたのは、「受験」において「その問題はこの解法で解きなさい」というパターンが存在することに気付いたからです。
自分で公式の運用を考え出すのではなく、自分でパターンの運用を考え出すということです。
「その問題はこの解法で解きなさい」というパターンが存在する
例えば二次関数の問題であれば、公式らしい公式もなくまとまりがないように思えますが、二次関数は解き方として数パターンに代表されるものがあります。その数パターンを覚えるのです。
とはいえ、どのようなパターンが存在するのか最初はわからないと思います。そこで、どのように学習を行うのか説明します。
それは「各基本問題を暗記する」ということです。問題文を見て「この類の問題はこのような解法を施せば解くことができる」と、想像することができるようにするのです。
そして実際にそのやり方ですらすら解けるようになれば、その解法の暗記を達成したことになります。
そこまでの状態に達するためには、同じ分野の数値を変えたようないろいろな問題を解くよりも、同じ問題を5回6回と何度も繰り返すことが効果的だと思います。
出典: 解法パターンを身に付ける(理科一類) | 苦手科目の克服法 | 受験対策 | 東大塾 | 河合塾
この方法を高3の夏までの「基礎」を身に付ける時期にやっておく、基礎の定着ができているかはマーク式模試や全統模試を利用して確認していた。
数学の入試問題には2つのタイプがある
(1) 基礎的事項の抜け落ちがないか確かめる問題
(チャート式レベルの微分・積分の計算、公式通りに計算すれば解ける確率問題など)
(2)基本的事項の組み合わせやどの事項を使えばよいのか分かりにくい問題
(いわゆる難関大学の入試問題)
このページをご覧の皆さんは(2)のタイプの問題を解けないと合格が厳しい大学の受験を考えているかもしれません。しかし、(1)のタイプを確実に解けないと、(2)のタイプが解けないことは明らかです。苦手な人無闇に(2)のタイプに挑戦しすぎているのではないでしょうか。
そして入試問題に歯が立たないと思い、ますます数学が嫌いになっていませんか?
数学が苦手な人は無闇に難関大学の入試問題に挑戦しすぎているのではないでしょうか。
私が(1)のタイプについてアドバイスすることは、基本事項をしっかり網羅した問題集(チャート式等)にもう一度取り組むことです。ただし、全問題を無闇にやるのではなく、奇数番号のみを解いてみて、解けなかった問題の類題である偶数番号に後で取り組むなどの工夫は必要でしょう。
数学が苦手な人は、これに対して疑念を抱くかもしれません。私も「そんなことしている時間があったら数学なり、英語なりの過去問をやる方がよい」と思っていました。
しかしこの勉強法は過去問などの(2)のタイプの問題をやり始めたときに好影響をもたらします。
(1)のタイプをじっくり固めることで生じるメリットは2つあります。
・(2)のタイプに遭遇したとき、「どの考え方を使う問題なのか」分析しやすい。難問は「解答の発想自体が未知」というものと、「この公式をここで使うのか!」と解答を見たら驚くものに大別されます。「解答の発想自体が未知」の問題は完全に数学的センスだけで勝負の問題ですが、「この公式をここで使うのか!」と驚く問題は公式をしっかり理解していたら解ける可能性が格段に上昇します。
近年の傾向として前者の問題が減少し、後者の問題が増えましたので、後者の問題さえできれば合格に近づけるでしょう。
・解答を見たときの理解度が上昇する。解答を確認するときにただ漫然と眺めるのではなく、「どこでどの公式を使うように組み合わせて問題ができているのか」を理解した方が問題の理解度は格段に上昇します。後で同じような問題を解くときも解き切れる可能性が高まるでしょう。
出典: 理解度を上げるコツ(文科一類) | 苦手科目の克服法 | 受験対策 | 東大塾 | 河合塾
苦手科目こそ基礎に立ち返って勉強することをおすすめしています。
わからないときは諦めて解答を見る
数学が苦手な人にとって、最初のうちは問題を見てもどう解いていけばいいのかまったくわからないということがあるでしょう。1~2時間ずっと考えてもいいのですが、それをやっていると数学への苦手意識がさらに高まってしまう危険性があります。
ですから「20分」や「30分」と自分のルールを決めて、その時間が経ってもわからないときは諦めて解答を見てしまいましょう。
そこで途中まででも自分の解く方針が合っていたのか、それとも見当違いのアプローチをしていたのか確認してください。そして模範解答を理解しながらノートに書き写してみましょう。
その後は、一週間後に同じ問題をもう一度何も見ずに解いてみてください。今度はある程度解くことができるはずです。
この方法は東大入試に限らず、大学入試全般への対策になると思います。
私はこの方法を使い、まったく解き方がわからない問題は早めに諦めるようにしました。入試には類題がたくさんあるので、「同じような問題を解いたことがあるな」という問題を見極めて解くことができるようになり、入試本番でも目標の点数を取ることができました。
また、数学に時間をかけすぎることがなくなったので、他の科目に使える時間が増えました。
出典: 解けない問題との付き合い方(文科三類) | 苦手科目の克服法 | 受験対策 | 東大塾 | 河合塾
まず高校数学の範囲の「基本」問題を一通り解けるようにしてから、応用問題に手を出すのではなく、過去問研究に徹した。
○基本問題に対する解法のストック
数学が苦手な方のほとんどが教科書レベルの内容を あいまいにしか把握できていないのです。
数学が苦手な方はまず学校の教科書の内容を完全に把握できているかどうか、きちんと確認するようにしましょう。
ここで大事なのは「完全に把握する」ということです。
数学が苦手な方のほとんどが教科書レベルの内容を
あいまいにしか把握できていないのです。
では、どうすれば「完全に把握した」ことになるのでしょう。
それは教科書に載っている例題を何も見ずに全問解けるようになる、ということです。
言い換えると、教科書に載っている例題を全問解けるようになるまでは、他の参考書に手を出す必要はありません。
出典:http://kosgi.net/mathadv.html
教科書レベルの内容を完全に把握できて初めて、教科書レベルもしくは教科書レベルより少し上の参考書をするようにしていくといいでしょう。
中学高校の数学の教科書は公式の意味の説明がしっかりしている
中学高校の数学の教科書というのは
覚えるべき公式がなぜ成立するか、ということや
それぞれの公式の意味、などを深く説明している
場合が多く、それらの内容をきちんと分かっておく
ことで公式に対する認識が深まります。
公式がなぜ成立するか、公式の意味、というのは
公式を覚えていればそんなに必要ではないのでは
ないか、と思う方がいるかもしれません。
でも、公式の意味をより深く知っておくことで
応用力がつく場合がありますし、なぜその公式が
成立するかをきちんと知っておけば、公式の暗記
もよりスムーズにできるのです。
これらの公式の意味や、なぜ成立するかということについては、教科書レベル以上の内容の参考書には載ってない場合が多いのです。ですから、このような点からみても数学の勉強の基本は「教科書の徹底的な把握」であるということを常に念頭におくようにしましょう。
出典:http://kosgi.net/mathadv.html
高校の数学の教科書を完全に把握している人は全体の1割より少ないくらいといわれている。
問題を多くこなすことは長期的に成績が頭打ちします。
数学の勉強法の定石ですが、問題を多くこなすことは長期的に成績が頭打ちします。解答をノートに書き写すのを繰り返す勉強法も間違いではないですが、どこか限界を感じると思います。
基礎力が本当に大事になってきます。基礎が全ての礎であり、基礎の元に応用問題があります。
河合塾や東進など大手予備校では、基礎の復習を徹底的に重視します。基礎がないと積み上げてもどんどん崩れ去っていくんですよね。
覚えても覚えてもどんどん忘れてしまう..。という勉強をしている高校生のほとんどが基礎がでいていない。高校数学でいるなら、受験で求められている基礎ができていない人が多いです。
青チャートが難しいと感じた人に
数学が苦手な人が青チャートをいきなり勉強しようとしても挫折する傾向があります。
問題集が多いので気が遠く感じる人も多いです。青チャートはあくまでの問題演習であり、基礎の概念を丁寧に教えてくれる本ではないので注意が必要です。実力がままならないまま手を出して挫折したとしても、それはアプローチの問題です。数学を必要以上に難しく感じてしまっています。
青チャートを進めながら、壁にぶつかったら参照すると何でも載っている。だから必要以上に青チャートに恐怖心を感じることなく進めていけるという環境を整えるのが、数学のハードルを低くするコツです。
『はじめからていねいにシリーズ』がおすすめです。僕は基本的には一部の先生を除いて東進の先生は詐欺だと思っているんですが、この東進ブックスのはじめからていねいにシリーズは数少ない僕が評価する東進の本です。
はじめて数学を勉強する高校生にとって、数学の勉強でつまづくと自分の数学力や数学の勉強法に対して自信がなくなりがちですが、実は全国の高校生も同じ悩みを抱えているんですよね。
はじめての分野を勉強していて、難しい問題に出会ったときに突破できるかは、勉強法云々より、それをいかに噛み砕いて理解を助けてくれるモノに出会えるか。
残念ながら大学受験や高校生の勉強に関してはそこが大事になってきます。
出典:数学嫌いの僕が半年で偏差値を40上げた要領の良い高校数学の勉強法│BinaryArticle
数学の参考書という立場で言えば『はじめからていねいにシリーズ』は心底おすすめ。
○基本問題の解法を組み立てる能力
教科書レベルを完璧に把握した後
教科書レベルを完璧に把握した後は、教科書レベル
もしくは教科書レベルよりも少し上のレベルの参考書を学習
しましょう。
このレベルの参考書でもボリュームがけっこう多く
1冊するのに相当の時間がかかってしまうことが
あるので、そういう場合は参考書の例題や基本問題だけ
解いていくというような学習でもかまいません。
教科書の内容を把握し、そして参考書を1冊こなせば
数学の実力は相当つくでしょう。
◆全問解けるようにするためには?◆
では、効率よく全問を解けるようにするためには
どうすればいいのでしょうか。
私の場合は解けなかった問題については丸付けの際に参考書に間違ったという印をつけて後日、再度問題を解きなおすようにしました。
そして再度解いてさらに解けなかった場合は2回チャレンジしても解けなかったということが分かるように印をつけて後日また問題を解きなおしました。大体3回ぐらい解きなおせばほとんどの問題は完全に解けるようになります。
この方法でとにかく「テキストに載っているすべての問題を解ける」ようにしましょう。教科書や参考書の学習は全てこの学習法によって最大限の効果を発揮するのです。
出典:http://kosgi.net/aftertext.html
参考書や問題集を解くときも「全問解けるように」して、分からない問題を分からないままで放置したり、解けないままにしておかないとうにする。
数学ができないことの一つの理由
与えられた問題における条件は何か?求めるものは何か?を十分に把握する能力です。
数学ができないことの一つの理由には、これらのことを十分に把握できず、「とりあえず2次関数があるから平方完成してみよう」「とりあえず微分してみよう」などと、解答にはまったく関係ない作業をしてかえって問題を難しくしてしまい、わけがわからなくなるということがあります。
求めるものは方程式の解なのか、はたまた曲線の通過領域なのか、それとも式の形で解答するのか、そういったところを把握しておかないと効率よく解答を作ることができません。
次に必要な能力
次に必要なのが、この基本問題は何がわかっているときに使えて何を求めることができるのか、を把握していることです。
これを頭の中に叩き込んでおくことで、実際に解答を作るときに、「あの基本問題の解法が使えるんじゃないか!」と反応することができます。
この能力を磨くための勉強法
これは若干勉強がしにくいです。というのは、こういったことを書かれている参考書が少ないので、皆さんが問題演習をする中で自発的に身につけていかなければならない能力だからです。
この能力は、大学の過去問題集を解く中で身につけていきましょう。
まずは問題を見たときに、何が与えられて何を求める問題なのかを把握する訓練をしましょう。慣れないうちは書き出してもいいかもしれません。書くことで、状況を整理して解答に臨むことができます。
それから、「考え方のポイントノート」などを作ってみてもよいでしょう。
筆者の場合、数学の問題を解くノートと、問題を解いたときに気づいたことを書くノートの2つを作っていました。
問題を解いたときに気づいたこと、例えば「高次方程式を見たら因数分解を試みよう」「対称式を見たらu.vに置き換えよう。変域条件を忘れずに」などと、とにかくこれはポイントだと思ったことをノートに書いておくのです。
出典: 現役東大生が語る!苦手意識を克服する数学の勉強法 | 合格サプリ | 2ページ目
これを積み重ねることで、どんな条件が与えられたときにどんなことをすれば解答に近づくのかを知ることができる。
問題集をどう解き進めて行くか?
どの段階まで行けばその問題集を卒業してよいのでしょうか?
結論から言ってしまうと、「問題文のタイトルを隠して、ランダムで問題文を見たときに60秒以内に解法が思い浮かぶ」という段階です。
ほとんどの人は、問題集の初めから問題を解いて行っています。解法を身に着けて行く過程ではもちろんそれは正しいのですが、その際に「今はこの単元の問題を解いている」ということは把握しているはずなので、それによって解法の選択肢が限られています(意識していませんが)。
ヒントの助けを借りて解けていることに無自覚なことが多い
ただ、当然、模試や入試ではもちろん、問題があるだけで、易しい問題であれば式の形から単元は推定できるものの、難しい問題になるとパッと見では「どの単元なのか?」すらも分かりません。この違いは普段は意識しないですが、実は大きいんです。
さらに、問題集にはタイトルなどに解法のヒントが載っていたります。
「問題集を3周して完璧にしたはずなのに、模試だと全然解けなかった」という人は、実は、このようなヒントの助けを借りて解けていることに無自覚なことが多いです。
そこで「この問題集をクリアできた」と思ったら、本当に「ランダムでも解けるのか?」を以下の方法を試してみてください。
1・問題タイトルにはシールを貼って隠しておく
2・解答・解説はもちろん隠す
3・ランダムに開けて、出てきた問題について、解法を思い浮かぶか?」を頭の中で思い浮かべ、60秒以内に出ないものには赤い×をつけて行く
この方法で解ければ、模試でも結果が出て来るはずです。
レベルごとに勉強法を紹介しているサイトです。
○計算力
単純ですが非常に大事な能力
これまでのようなことが完璧にできたとしても、計算ミスひとつで何もできない人と同じ点数になってしまいます。計算力の向上は日頃から心がけておきましょう。
これは日々の数学の学習の中で意識していくことが重要です。
一つの問題を解く中でも絶対に計算ミスをしないよう心がけることで、計算力を向上させていきましょう。
特に受験前の時間が無い時期に計算練習をすることは非常にもったいないです。
問題演習の中で意識付けして学習していきましょう。
ただ、どうしても計算ミスが直らないようなら、一日15分でも時間を取り、基本問題の演習を時間を計ってやるなどして計算ミスを減らしていきましょう。
出典: 現役東大生が語る!苦手意識を克服する数学の勉強法 | 合格サプリ | 2ページ目
計算力については受験勉強中ずっと意識しなければならないようです。
数学Ⅲは、実は計算力の部分が非常に大きなウェイトを占めます。「『3-1.数学が苦手な人が偏差値50まで持っていくための勉強法』をちゃんとやったはずのに、模試で結果が出ない!」という方は、多くの場合、計算に原因があります。計算が不正確だと、模試ではミスでポロポロと失点してしまい、点数は伸びません。
計算が遅いと時間が足りなくなってしまいます。計算の演習量を増やしましょう。
センター試験では、正しい答案がなくても点数は取れますが、早く正しい計算ができないことには決して点数は伸びません。
「『3-1.数学が苦手な人が偏差値50まで持っていくための勉強法』をちゃんとやったはずのに、模試で結果が出ない!」という方は、多くの場合、計算に原因があります。計算が不正確だと、模試ではミスでポロポロと失点してしまい、点数は伸びません。
計算が遅いと時間が足りなくなってしまいます。計算の演習量を増やしましょう。
1. 基本問題に対する解法のストック
2. 基本問題の解法を組み立てる能力
3. 計算力
これら3つの学習の時期について補足したいと思います。
まず「1. 基本問題に対する解法のストック」ついて大体のめどがたったところで過去問演習に移り、その中で「2. 基本問題の解法を組み立てる能力」を学習していくことになります。
理想的には高3になる頃には過去問演習を始めたいところですが、間に合わないようなら高校3年生の1学期を「1. 基本問題に対する解法のストック」の勉強に充てても良いでしょう。
自分の学力に合わせて計画を立てていってください。
「3. 計算力」については受験勉強中ずっと意識しなければなりません。
「計算力トレーニング(上・下)」
通分や平方根といった中学数学の計算から、積分計算まで載っているので、「中学数学の計算から自信がない」という人でも復習しやすいです。
「カルキュール数学」
計算問題がメインですが、ついでに典型問題もつまっていてボリュームもかなりあります。
学校配布問題集には所謂「ドリル本」(4STEPやクリアー数学など)は多いのですが、解答のみで解説は配られないケースがほとんどです。
そんな中でこの「カルキュール」は市販で入手でき、解説もついている稀有なドリル本です。「計算が遅い」「計算ミスが多い」方はぜひこの本で演習を積みましょう。
「合格る計算」
計算するときに着目するべきポイントを「ここがツボ」という形で載せてくれています。特に数学Ⅲの極限や積分の計算では計算のスピードと正確性がものをいうので、計算力を上げる必要があります。
この本は式を見たときにどこ着目して、どのように計算していけばよいかを丁寧に書いてあるので、計算力を上げたい受験生にはとてもよい本と言えるでしょう。
計算の煩雑さが挙げられます。
おそらくこれが、皆さんが最も苦労している点だと思います。
「解き方は分かるけど計算の途中で終了ブザーが鳴る」「解き終わったけど急いでやったから計算ミスしている」というようなことは、誰しも経験しているのではないでしょうか。
しかし、それなりにセンター試験の問題を解いた人ならおわかりかと思いますが、最も計算が煩雑なのは各大問の最終問題のみです。そこまでは、ある程度以上にわかっていれば解けるべき問題です。
ですので、各大問の最終問題のみとばして解いていき、余った時間でそれらを解いていくことをおすすめします。
出典: 東大数学(ⅡB) | 東大生が実践した科目別攻略法 | 受験対策 | 東大塾 | 河合塾
センター試験レベルの数学ⅡBの攻略の仕方。
○東大生が教える「国語力」と「暗記力」で数学を克服した方法
数学の問題を解くプロセス
数学の問題を解くプロセスは、以下の3つに分類されると考察します。
①問題の意味を理解する
②ロジックを組み立てる
③計算をする
それぞれの工程について、どのように考えればよいのか検討していきましょう。
①問題の意味を理解する~試験問題は出題者との対話
数学に限ったことではありませんが、試験問題は人が作ったもので、そこに作成者の意図が入っています。ここを読み違えると、頓珍漢な答えを出してしまうことになります。
相手の聞きたいことを把握しないうちに思い込みで話しても、コミュニケーションは成立しませんよね。
ここで必要なのが「国語力」ですが、本家・国語の問題を解くよりも簡単です。
ポイントは「語彙力」「ヒントを拾う」「何を答えれば良いのか把握する」の3つです。
・語彙力
例えば、「嵩(かさ)」という言葉の意味がわからないとしたら、考えようがないですよね。
また、「立方体」が合同な正方形でできている立体だと知っているからこそ、一辺3cmと言われるだけで面積も体積も求めることができます。
出典:東大生が教える「国語力」と「暗記力」で数学を克服した方法 - STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
問題の意味を理解するポイントその1語彙力
・ヒントを拾う
よく、問題文が長文だとそれだけで難しそうだからと解くことを放棄する人がいますが、これは勿体ないことです。問題文が多い分だけ、文中にヒントが多くあるということなのです。
逆に、問題文が少なければ、それがヒントです。すなわち、敢えてヒントを言及しなくても、知識で解決できるということを示してくれています。「一辺3cmの立方体の体積を求めよ」と一行書いてあるだけでも、問題を解けてしまいますよね。
出典:東大生が教える「国語力」と「暗記力」で数学を克服した方法 - STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
問題の意味を理解するポイントその2ヒントを拾う
・何を答えれば良いか把握する
「何を答えれば良いかを把握するなんて、当たり前じゃないか!」と怒られてしまいそうですが、普段の勉強で集中できていなかったり、また試験で緊張していたりすると、結構この部分で間違えます。体積を出すべきところ面積を答えたり、単位を間違えたりしたとき、「うっかりミス」と言う人が居ますが、これはうっかりなんかではなく、問題の読解力が無いということなので、また同じ過ちを繰り返す可能性があります。
試験は出題者との対話。これをいつも念頭に置いておきましょう。
出典:東大生が教える「国語力」と「暗記力」で数学を克服した方法 - STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
問題の意味を理解するポイントその3何を答えれば良いか把握する
②ロジックを組み立てる
先に述べた通り、出題者には意図があります。多くの場合、「こういうロジックを使って、こう解いて欲しい」と思って、問題を作成しているはずなのです。そこで想定されるロジックとは、解答者がどこかでアクセスできるものであるはずです。貴方が先生だとして、小学生に大学入試と同じ問題なんて普通は出さないですよね。学校教育にしても、資格試験にしても、想定される範囲さえ抑えてしまえば、考え方のパターンの「暗記」でカバーできてしまうのです。
③計算をする~暗記が計算力を高める
突然ですが、2×2=?
答えは4ですよね。2が2つあるから4と考えるのではなく、小学生の頃に覚えた九九「ににんがし!」で瞬間的に答えた方がほとんどだと思います。
このように、計算を暗記してしまいます。
例えば、45分=3/4時間であることは、1時間=60分だから45分=45/60時間=3/4時間というロジックから導き出されますが、計算すると5秒くらいはかかります。覚えてしまえば1秒もかからず求められますよね。
たった4秒ですが、塵も積もれば山となる。同様の計算を100パターン暗記すれば6分40秒の差が出ます。1000パターンならなんと1時間もの処理速度の差が生まれるのです。
○実際の問題で上の①~③を実践してみましょう
SPI非言語問題で考察
ある品物の原価は1200円である。この品物に原価の3割の利益を得られるように定価をつけたが、売れないので定価の1割引で売ることにした。売価はいくらか。
①について
まず語彙力について、
原価:利益を含めていない仕入れ値段
利益:事業などをして得るもうけ
定価:ある品物について前もって決めてある売り値
売価:物を売るときの値段
一語一句辞書通りに覚えている必要はありませんが、イメージができないとロジックを組むとき大変です。
次に、ヒントについてですが、この問題だと文章の順番に操作をしていけば答えが導き出されます。そういった意味で、どのような操作をしているのか正しく読み取る力が必要です。
そして、忘れてはいけない大前提として、答えるべきは「売価」ですね。
出典:東大生が教える「国語力」と「暗記力」で数学を克服した方法 - STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
実際の問題で①問題の意味を理解するを実践
②について
ここで使うロジックは、それぞれの言葉の意味がわかった上で「原価+利益=定価」であるということと、n割増またはn割引することについてです。
③について
この問題で暗記の活用をすると3割=0.3/1=3/10が使えます。
3割増だと1+0.3=1.3=13/10と扱えば良いことを覚えていれば便利ですね。
同様に1割=0.1/1=1/10で、1割引の金額は1-0.1=0.9=9/10を原価にかければ求めることができます。
出典:東大生が教える「国語力」と「暗記力」で数学を克服した方法 - STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
②ロジックを組み立てる、③計算をするを実践
以上より、
売価=定価×13/10×9/10=1200×13/10×9/10=1404(円)
と求められます。
(制限時間1分のところ、20秒で解けました。)
いかがでしたか。
私自身、小学生の頃から算数が苦手、高校時代は校内で平均以下という筋金入りの数学嫌いでしたが、 訓練の結果、SPIでは非言語の点数が言語を上回るという結果になりました。
数学のテストはなくなっても、数学的思考を必要とする場面は社会には多々あります。
皆さんも「国語力」と「暗記」を意識してトレーニングしてみてくださいね。
出典:東大生が教える「国語力」と「暗記力」で数学を克服した方法 - STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
以上、東京大学法学部第2所属の方のアドバイスでした!