整備新幹線とは
整備新幹線(せいびしんかんせん)とは、新幹線の計画路線のうち、全国新幹線鉄道整備法(昭和45年法律第71号)第7条に基づいて日本政府が1973年(昭和48年)11月13日に整備計画を決定した5路線、すなわち北海道新幹線の青森市から札幌市までの区間、東北新幹線の盛岡市から青森市までの区間、北陸新幹線、九州新幹線 (鹿児島ルート)、九州新幹線 (長崎ルート)のことである。
昭和57年(1987年)までに開業した東海道新幹線、山陽新幹線、東北新幹線(東京~盛岡間)、上越新幹線の確信幹線とミニ新幹線(山形新幹線、秋田新幹線)及び中央リニアは含まれない。
なお、昭和48年以前に計画され、後に中止された成田新幹線も整備新幹線には含まない。
整備新幹線とは
「全国新幹線鉄道整備法」に基づく昭和48年の「整備計画」により整備が行われている以下の5路線のことを言います。
いつの間にか公式に整備新幹線と
開業済み新幹線と整備新幹線
開業した区間
○北陸新幹線(高崎~長野間)1997年10月1日開業
○東北新幹線(盛岡~八戸間)2002年12月1日開業
○九州新幹線(新八代~鹿児島中央間)2004年3月13日開業
○東北新幹線(八戸~新青森間)2010年12月4日開業
○九州新幹線(博多~新八代間)2011年3月12日開業
○北陸新幹線(長野~金沢間)2015年3月14日開業
○北海道新幹線(新青森~新函館北斗間)2016年3月26日開業
東北新幹線E5系
山陽・九州新幹線N700系
九州新幹線800系
北陸新幹線E2系N編成(8両編成)
北陸新幹線E7系
開業日が決定している区間
なし
工事中の区間
○北海道新幹線(新函館北斗~札幌間)2035年度開業目標
○北陸新幹線(金沢~敦賀間)2025年度開業目標
○九州新幹線(武雄温泉~長崎間)2022年度開業目標
東京~札幌間3時間57分
新函館北斗~札幌間45分
未着工区間
○北陸新幹線(敦賀~新大阪間)
○九州新幹線(新鳥栖~武雄温泉間)
基本計画線「全区間未着工・整備新幹線に含まない区間」
北海道新幹線(札幌市~旭川市)
北海道南回り新幹線(長万部町~札幌市)
羽越新幹線(富山市~青森市)
奥羽新幹線(福島市~秋田市)
北陸・中京新幹線(敦賀市~名古屋市)
山陰新幹線(大阪市~下関市)
中国横断新幹線(岡山市~松江市)
四国新幹線(大阪市~大分市)
四国横断新幹線(岡山市~高知市)
東九州新幹線(福岡市~鹿児島市)
九州横断新幹線(大分市~熊本市)
その他の未着工区間
東海道新幹線支線(新宿~新横浜)
上越新幹線(新宿~大宮)
国鉄と鉄道公団は工事実施計画の作成に着手。東北新幹線は東京駅に、上越新幹線は新宿駅にそれぞれ東京ターミナルを設置し、大宮駅で両新幹線を接続させることが考えられた。しかし、開業から当分の間は両新幹線で線路を共用しても容量が足りると予測されたことから、大宮以南はとりあえず東北新幹線のみ建設することになり、1971年10月12日に国鉄が東北新幹線東京~盛岡間、鉄道公団が上越新幹線大宮~新潟間の工事実施計画認可をそれぞれ申請。2日後の10月14日に認可された。
未成区間
成田新幹線(東京~成田空港)
整備新幹線以前の開業線
○東海道新幹線(東京~新大阪間)
○山陽新幹線(新大阪~博多間)
○東北新幹線(東京~盛岡間)
○上越新幹線(大宮~新潟間)
並行在来線問題
新幹線の開業に伴い、並行する在来線をJRの経営から切り離し、第3セクターで運営するという並行在来線問題は、整備新幹線区間のみで発生し、それ以前の新幹線では、並行在来線の廃止は行われていない。
並行在来線問題でJRから切り離された区間
東北新幹線(盛岡~新青森間)開業による切り離し
○東北本線(盛岡~青森間)
※青い森鉄道(目時~青森間)
※IGRいわて銀河鉄道(盛岡~目時間)
北陸新幹線(高崎~長野間)開業による切り離し
○信越本線(横川~篠ノ井間)
※廃止(横川~軽井沢間)
※しなの鉄道(軽井沢~篠ノ井間)
九州新幹線(博多~鹿児島中央間)開業による切り離し
○鹿児島本線(八代~川内間)
※肥薩おれんじ鉄道(八代~川内間)
切り離し区間はJRが決定するため、並行在来線全線が切り離されるわけではない。
青い森鉄道
IGRいわて銀河鉄道
しなの鉄道
肥薩おれんじ鉄道
並行在来線としてJRから切り離される予定の区間
○江差線(五稜郭~木古内間)
○函館本線(函館~小樽間)
○信越本線(長野~直江津間)
※しなの鉄道(長野~妙高高原)
※えちごトキめき鉄道(妙高高原~直江津間)
○北陸本線(敦賀~直江津間)
※運営引受先未定(敦賀~大聖寺間)
※IRいしかわ鉄道(大聖寺~倶利伽羅間)
※あいの風とやま鉄道(倶利伽羅~市振間)
※えちごトキめき鉄道(市振~直江津間)
○長崎本線(肥前山口~諫早間)
東京方面から東北新幹線E5系「はやぶさ」に乗ると、宇都宮を過ぎたあたりから速度をぐんぐん増し、仏TGVと並ぶ営業速度世界最速タイの時速320キロメートルで走る。が、盛岡を過ぎた途端、最高速度は時速260キロメートルに減速する。
出典:整備新幹線が時速260kmしか出せない事情 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
1982年に開業した大宮―盛岡間に比べ、盛岡―新青森間の開業は2002~10年と、時期は最近だ。30年以上前に建設された区間で時速320キロ運転が行われているのに、最新の技術で建設されたはずの盛岡―新青森間で時速260キロ運転にとどまっているのはなぜか。
出典:整備新幹線が時速260kmしか出せない事情 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
答えは、盛岡以北が全国新幹線鉄道整備法(全幹法)に基づく「整備新幹線」だからだ。北海道、北陸、九州の新幹線も、同様である。全幹法で規定される整備計画には、営業最高速度が時速260キロメートルと記され、これが今も適用されている。すなわち、JR東日本の独自判断で速度を引き上げることはできないのだ。
出典:整備新幹線が時速260kmしか出せない事情 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準