◆twitterに投稿された画像をきっかけに、点字ブロックの設置場所を巡る議論が巻き起こっている。
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
新幹線富山駅の点字ブロック、ホーム柵の外側にしかないことに気づきました。これでは視覚障害の方はホーム柵の内側を歩けません。 http://t.co/h6gua1H4hs
投稿したのは「Tatsuki Tomikawa@TatsukiTomikawa」さん。富山県出身、埼玉県在住の血液内科専門医の方。北陸新幹線で週1回埼玉から富山へ通勤し、富山でも診療中とのこと。
2015年5月19日深夜に投稿されたこの画像は、22日午前時点ですでに1800回以上リツイートされており、現在も拡散中。
◆問題となっているのは、まだ開業して間もない北陸新幹線富山駅のホーム。
JR富山駅
投稿された画像を見ると、確かに点字ブロックはホーム柵の外側、線路に近いところにある。
出典:サービス終了のお知らせ
ホーム柵の外側に点字ブロックが施工されているが…
◆この位置に違和感を覚えた人は多いようで、twitterで反響を呼んだ。
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
@e_phoresis 乗車しながら各通過駅を見てましたが、北陸新幹線新規開業区間の駅、確認した限りでは同じ欠陥構造の点字ブロックが設置されているようです。
……これ設計した人も施工した人もなんも考えてないだろ。富山駅点字ブロック使えないじゃん。設置しときゃいいと思ってるんでしょう。>RT
@TatsukiTomikawa これって、ホーム上の点字ブロックがあるところへ後付けでホームドアを取り付ける際に点字ブロックの移設を考慮しなかったから写真の通りになったんだとすれば急ピッチでホームドアを取り付けた駅のほとんどで同様になっていそうな💧
普通のイメージからすると点字ブロックはホーム柵の内側に存在するもの
@TatsukiTomikawa @hidekazuno 常々、ホームの点字プロックの位置について疑問に思っておる者です。あれって、『ここを歩きなさい』なのか?『ここから外は危ないから出ないように』なのか?前者なら、あんな外側歩かせるの危険極まり無い!どっちなのでしょう?
建設前の新幹線富山駅のホームイメージ図です。この段階では点字ブロックはホームドアの内側にあります。一体どの段階で外側に動いてしまったのか…。
イメージ図は富山県知事政策室の北陸新幹線ページよりお借りしました。 http://t.co/rxkBZ0I1Md
◆一方でこんな意見も
一方で、ホームドアによって安全性が確保されているので、ホーム柵の外側でも問題はないという意見も。
出典:なぜそんなところに? 富山駅の点字ブロックを巡って議論沸騰、真相をJRに聞いてみた - ニュース - Jタウンネット 富山県
富山駅の場合、柵伝いに歩けるから誘導ブロックは要らないということではないのかな?京都駅の場合、柵がホーム端に寄っているからそうはいかない RT
@TatsukiTomikawa 写真を見ただけで判断できませんが、通常と違って電車とホーム柵の間が広く取られていますね。もしかしたら降車した視覚障碍者を柵の扉へと誘導するためのものではないのでしょうか?
◆通過する列車の風圧を考慮したもの?
@tatsukitomikawa 初めまして。富山駅のホームドアが不自然に内側の配置となっているのは、高速で通過する列車の風圧を緩和するための措置です。島式2面4線の構内配置で追い越し線がないため、全てのホームドアについて離隔しなければならなかったのだと思います。
京都や金沢は車両至近にホームドアを据えていますが、これは全ての列車が停車する(=大きな風圧が発生しない)事によるものです。将来の計画として、金沢直通のノンストップ列車の運行が念頭にあるためにこうしたドア配置となったのだと思います。
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
@mizutabacco 富山駅の東側には規格外曲線があり、高速では通過できない構造ですし、待避線となる11,14番線を通過することはありませんので、それだけが理由ではないと思われます。
◆果たしてどんな意図なのか?JR西日本の広報担当者のコメントは「設計ミスではありません」
西日本旅客鉄道
JR西日本本社ビル(大阪市北区)
実際のところ、どちらの意見が正しいのだろうか。JR西日本の広報担当者に話を聞いてみたところ、その答えは「設計ミスではありません」というものだった。
出典:なぜそんなところに? 富山駅の点字ブロックを巡って議論沸騰、真相をJRに聞いてみた - ニュース - Jタウンネット 富山県
詳しい理由を聞いてみると、「新幹線が通過した際の風圧など、強度の問題でホーム柵を線路のすぐ近くに設置することができないため、ホームドアと列車の間に広い距離ができてしまいます。そのため、ホーム柵と線路の間でないと、点字ブロックを設置する意味がないのです」という。
出典:なぜそんなところに? 富山駅の点字ブロックを巡って議論沸騰、真相をJRに聞いてみた - ニュース - Jタウンネット 富山県
要するに、富山駅ではホームドアと線路の間のスペースが比較的広い。他の駅のようにこのスペースが狭ければ問題ないが、ある程度の距離がある以上、むしろ転落の可能性があるホーム柵の外側にこそ、点字ブロックを設置する必要性があるというわけだ。
出典:サービス終了のお知らせ
◆しかしながら当時者側の意見は…。富山県視覚障がい者協会のホームページ内「文芸コーナー」では、会員の一人が新幹線富山駅ホームの点字ブロックに関する意見をアップしていた。
私が大きく驚いたことが一つありました。それは、点字ブロックの敷設に疑問を感じた事です。まず、ホームの点字ブロックです。想像もしていない形で敷設されていました。
出典:文芸コーナー
ホームには頑丈なホーム柵がありましたが、その内側の通路に点字の誘導ブロックはありません。ただ、ホーム柵のドアのところに警告ブロックは敷設してありました。
出典:文芸コーナー
さて、誘導ブロックですが、ホーム柵の外側、列車との間にずーっと敷設されています。アナウンスでは「ホーム柵から手を出さないで下さい。ホーム柵から体を乗り出さないで下さい」と盛んに注意していました。要するに、ホーム柵の外側に出ないで下さいという事なのですが、そうなら敷設されている誘導ブロックの意味は何なのでしょうか?
出典:文芸コーナー
JRの説明では「エレベーターからホーム柵に移り、それ以後はホーム柵に沿って歩いてもらえばホームドアの警告ブロックがあります。そこには点字で号車番号などが書かれていますので、移動には支障がないと思われます」というものでした。
出典:文芸コーナー
駅舎の中では、入口からエレベーターまでは点字ブロックがありましたが、途中にあるエスカレーターへの点字ブロックの敷設はありませんでした。また、緑の窓口には部屋の入口までしかブロックは敷設されていないなど、最新鋭の北陸新幹線なのに、物足りない思いで富山駅を離れました。
出典:文芸コーナー
この新幹線建設に当たっては、各障がい者団体(もちろん本会も含めて)から、2~3回の会合が持たれそれぞれ希望や要望が出されていたはずですが、その効果はあったのでしょうか? 出るは溜息ばかりでした。
出典:文芸コーナー
◆駅によっては点字ブロックの設置場所が統一されていないのが現状
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
たまたま撮っていた東海道新幹線京都駅のホーム。当然ですが北陸新幹線富山駅とは異なり、ホーム柵の内側に点字ブロック設置されております。 http://t.co/UFUeaF3GaN
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
たまたま見つけた極端な例の点字ブロック。東横線・日比谷線中目黒駅の点字ブロック。東横線側はホームドアあり、ホームドア間誘導ブロックでホームドア前は警戒ブロックで日比谷線側はホーム内側線付きの警戒ブロックです。 http://t.co/Yj96q0LNFW
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
中目黒駅東横線側の8両編成用の乗務員室への出入り口に合わせ、ホームドアは膨らみ、それに従って誘導ブロックも膨らんでいますが、これはガイドライン上ダメな設置例と思います。なんか、これまで気にしてなかったことが見えるようになってきました。 http://t.co/MTUrWVygor
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
これは都営大江戸線六本木駅の点字ブロック。ホームドア付きですが、先程の東急中目黒駅とは異なる配置です。日比谷線移動すれば数駅の距離ですが、このわずかなエリアだけでもそもそも仕様が統一されていないことが解ります。 http://t.co/FhyZZ7GaeV
◆富山駅の場合、バリアフリー新法に合致した設置方法なのだそうだが…
駅によってバラバラなのは危険なのでは…
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
日本盲人会連合ホームページの「交通バリアフリー法」に関する記述より。
t.co/mLCrpb5E3E
現状の法律ではホームドアのあるホームではドアの開口部に警告ブロックだけあれば良いものの、それでは不十分で国として統一が望ましい、との見解です。
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
@jesusonlysavior @hunterkani 調べた結果としては、ホームドアのあるホームにおいてはバリアフリー法に準拠したブロック配置でホーム上の誘導ブロックは不要なのですが、障害者団体ではホームドアがあるだけでは不十分であるとの声が上がっております。
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
@luna_stone バリアフリー法的には合致した設置方法のようです。ホームドア・ホーム柵のあるホームは転落の危険がないことから、法律的にホーム上に誘導ブロックを設置する必要はないようです。ただ、既存の駅との構造の不合致等の課題はあるように思いました。
Tatsuki Tomikawa M.D., Ph.D 血液内科医@TatsukiTomikawa
@hiragimaho 先付けにしても後付けにしても、視覚障害者には関係のない話と思います。せっかく、バリアフリー法やホームドアによる安全対策が進められているのに、場所によって、ブロックのある場所、ホームドアとの位置関係が統一されてないほうが危険ではないでしょうか?