◎澤村拓一投手が「ルーズショルダー」で2軍に
巨人・沢村拓一投手がルーズショルダー(非外傷性肩関節不安定症)で2軍に降格した。
出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140204-00000007-spnannex-base
◎ルーズショルダーとは?
野球選手に多いと言われる肩関節の障害の一つに、ルーズショルダー(動揺肩)があります。これは肩関節が多方向の不安定性を生じて、異常に緩くなってしまう状態のことを言います。
◎登板過多が原因か?
登板過多で疲労が溜まると、肩関節を繋ぐ筋肉がユルくなり、投球時に肩の中で関節が暴れ、痛みが出る症状です。
◎手術せずに保存療法でも回復するケースも
必ず手術を必要とするわけではありません。運動療法を中心とした保存療法でも十分に回復するケースもあります。まずは肩関節に精通した専門家に相談し、きちんとした管理下で運動療法を試みるのがよいでしょう。
◎スポーツ選手以外でも、遺伝性もあると言われています
大きな外力がかかっていない場合でも微小な外傷によって、疼きや痛み、不快感、脱力感を訴えるようになります。スポーツ選手以外でも、一般的には生まれつき靱帯の緩い人に起こりやすく、遺伝性もあると言われています。
◎ルーズショルダーで苦しんだ「伊藤智仁」
伊藤智仁
驚異的なノビを見せる最速153km/hのストレートと、打者手前でいきなり大きく真横に滑るような高速スライダーが武器。
2004年からヤクルトスワローズ二軍投手コーチに就任。
通算成績は37勝25セーブに終わったが、投手としての素質、評価は史上最高レベルの一人としてあげられることが多い。
◎関節の柔かさは「もろ刃の剣」
伊藤の場合は生来、人一倍、関節が柔かい。それが投球を支える一方で「もろ刃の剣」として故障の引き金になった。
出典:http://www.kyoto-np.co.jp/kp/sport/garasu/garasu_index.html
◎球速は出るが関節が外れやすくなる
腕を大きく弓のようにしならせることができるため、球速は出る。一方で、亜脱臼や脱臼が習慣化して関節が外れやすくなる側面を持つ。
◎圧巻だった「伊藤智仁」の高速スライダー
直球と速度がさほど変わらない高速スライダーで、プロの強打者から次々に三振を奪う姿は圧巻だった。
出典:http://www.kyoto-np.co.jp/kp/sport/garasu/garasu_index.html
事実、伊藤は手の甲を反り返らせて指を手首にくっつけることができる。関節が柔らかいと可動域が広がり「球持ち」が良くなる。腕がしなって球速が上がり、球に回転を多く加えられることで変化球の切れも増す。
出典:http://www.kyoto-np.co.jp/kp/sport/garasu/garasu_index.html
◎当時の野村監督は伊藤を酷使した
野村克也(ヤクルト監督時代)
伊藤がルーズショルダーである事は首脳陣には分かっていたため、コーチ陣は故障を危惧し登板回数・投球回を減らすよう促すが、野村はその助言を聞かずそれがシーズン中盤の故障に繋がった。
野村は監督退任後に「積極的に登板させた事によって彼の選手生命を縮めてしまった。申し訳なく思っている。」とコメントしている。
「長いこと監督をやってきたけど、あいつがNo.1だよ」
◎勝利と引き換えに伊藤の選手生命を縮める結果に
当時の捕手 古田敦也
「伊藤がいないと優勝できなかった」との捕手古田敦也の言葉が、活躍ぶりを物語っている。
出典:http://www.kyoto-np.co.jp/kp/sport/garasu/garasu_index.html
◎名投手に多い「ルーズショルダー」
沢村賞を2度獲得した元ソフトバンクの斉藤和巳、楽天時代の岩隈(マリナーズ)らも悩まされてきた。
斉藤和巳
通算23敗(79勝)、通算勝率.775を誇る「負けない投手」と言われた。
◎気になる昨年後半の「澤村の登板過多」
後半戦では前半戦に引き続き勝てない試合が続く中でピッチング内容も徐々に悪化するようになる。9月12日の横浜DeNA戦(東京ドーム)よりリリーフとして起用された。
◎昨年から心配されていた
今回の中継ぎで、澤村の肩はパンク寸前なんです。全体練習でもほとんどノースロー状態なのはその影響で、首脳陣も慎重に状態を見極めている
◎川口投手総合コーチは…
「肩が緩いというのが、彼の特徴。去年は途中から中継ぎに回って、登板間隔が短くなった。その疲れが取れなくなったのもあると思う。この時期に勇気を持ってよく決断した」
◎一方で周囲からはこんな声も聞こえてくる
「彼の一本気な性格を考えれば、早めに止めてあげるべきだったのではないか」
◎当面はノースロー調整を続ける澤村
「僕自身、言いたくない気持ちもあった」と話しているように「投げられません」と言いづらい状況になっていたのは確かだ。
「そんなに重症ではないと思う。治り次第すぐに戻ってきたい」とする一方で、「それ(メド)が立てばこういう言い方はしていない」と苦しさもにじませた。
出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140204-00000007-spnannex-base
◎そして、7月6日、271日ぶりの1軍登板…
大歓声に身震いした。プレーボール前、沢村の名前がコールされると、東京Dは万雷の拍手に包まれた。271日ぶりの1軍登板。
序盤から、今季最速の152キロなど150キロ台を連発した。「久しぶりで初回は緊張しましたが、途中から緊張も取れてきました」。
140キロ台のフォークなど変化球のキレもよく、4回先頭のルナから4者連続空振り三振。7回に投手の浜田に同点打を許したが、気持ちを立て直し、8回を1失点に抑えた。
12年10月6日のDeNA戦以来、638日ぶりの東京Dでの先発勝利だ。「野手の皆さんのおかげ。もう7月ですか。長かったなと思います」。お立ち台で感慨に浸った。
◎8月28日、1年2カ月ぶりの完封に涙
巨人先発の澤村が二塁さえ踏ませぬ好投。9回を散発2安打無失点に抑え、昨年6月13日・オリックス戦以来の完封で、今季2勝目を挙げた。