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〇2020年度に実施する「大学入学共通テスト」の原案を文部科学省が公表した。

そもそも新テストとは
高校と大学教育を円滑に接続させるため、(1)1点刻みで合否を判定するセンター試験一発勝負から複数回受験が可能な到達度評価に転換する(2)各大学が記述式問題を含む個別2次試験で丁寧に学力を判定する――という構想から出発した。

文部科学省が、大学入試センター試験に代えて2020年度から始める「大学入学共通テスト」の実施方針案を公表した。大学や高校関係者らの意見を聞いた上で、6月にも正式決定する。

出典:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170516-OYT1T50152.html

センター試験が始まった1989年度以来の大きな改革で、現役なら21年4月に入学する今の中3から対象となる。

国語に最大120字の記述式問題を課し、英語では実用英語技能検定(英検)やTOEICなどの民間試験を活用して「書く」「話す」の技能も評価するのが柱。

出典:大学新入試は何をめざすのか  :日本経済新聞

国語の記述問題と英語の民間試験は得点ではなく段階別で評価する。

だが、他科目は数学を除きおおむねマーク式問題で、1点刻みで受験生をふるいにかける。相対評価という幹に、おおまかな到達度評価という枝を接ぎ木したような構造だ。

出典:大学新入試は何をめざすのか  :日本経済新聞

このため、選抜試験としての精度を疑問視する大学関係者もいる。すでに個別2次試験で受験生の思考力を問う記述式問題を導入している有力国立大学が、新テストの国語の記述問題を利用しないといった事態も想定される。

文部科学省は来月、高校や大学の意見を聞いて結論をまとめる方針ですが、新たな共通テストが始まる4年後までに、これらの課題をどこまで解消できるかが入試改革の成否を分けることになります。

出典:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170517/k10010984291000.html

大学入学共通テストの出題科目数は国語や数学Ⅰ、世界史A、物理などセンター試験と同じ30科目。高校の新しい学習指導要領が導入された後の24年度以降、科目の絞り込みを検討する。

〇センター試験後継案、英語は民間で

大学入学共通テスト(仮称)の〈英語〉
・民間試験で「読む・聞く・話す・書く」を評価
・高3の4~12月に2回まで受けられ、結果の良い方を採用(浪人生は別途検討)
・A、B両案から6月に絞り込み
【A案】20年度からセンター作成の試験を廃止。民間に移行
【B案】23年度までセンター作成の試験も併用。24年度から民間に全面移行

英語は、高校の学習指導要領での抜本的改革を踏まえ、センター試験で現在みている「読む・聞く」力に加えて、新たに「書く・話す」力も評価する。要件を満たす検定試験をセンターが認定。

出典:英語に民間試験、導入時期で2案 大学入試新テスト 国語・数学に記述式 - 産経ニュース

英検やTOEICなどの民間試験のうち、指導要領に対応し、実施場所の確保、採点の質といった条件を満たす試験を大学入試センターが認定。高3の4~12月に2回まで受けることができる。そのうえで、大学入試センターが作る従来の英語の「読む・聞く」の問題については、①20年度から廃止して民間試験に全面移行する②制度変更の影響に配慮し、23年度まで残す――の2案を提示。6月末までに一つに絞る。

文科省は日本英語検定協会など複数の実施団体と交渉している。

出典:http://www.jiji.com/jc/article?k=2017051600315&g=soc

受験生は高校3年の4~12月に2回まで受験でき、センターはその結果と、国際的な語学力基準「CEFR」での段階別成績を大学に提供する。既卒者の扱いは検討中。

文科省は、民間試験と現行のような共通テストを当面は併用する案と、民間試験の結果だけで評価する案を示した。

出典:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170516-OYT1T50152.html

受験生は基本的に、高校3年の4~12月に2回まで、実用英語技能検定(英検)やTOEFLなどを自ら選択して受ける。各大学は、その結果を入試の成績に用いる。

〇 民間業者活用で公正さに懸念も

実践的な英語力を測定するため民間の検定試験が活用されます。

出典:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170517/k10010984291000.html

英語の民間活用は、高校側の反発が強かった。文科省が実施方針案で候補に挙げた10試験でも、1回の検定料は3000~2万5000円と幅がある。試験会場も12~約1万7000カ所と差があり、実施時期も異なる。複数回受けるのが難しい低所得世帯や、試験会場まで遠い地方の受験生と、経済的に余裕のある大都市の受験生との間に格差が生じる恐れがあると指摘された。

「読む」「聞く」だけでなく、「話す」「書く」を加えた総合的な英語力を判定する。その狙いは理解できるが、問題は、民間テストで学力を適切に測れるのか、という点だ。

出典:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170516-OYT1T50152.html

「測定の面でも課題がある」と根岸教授。留学用、ビジネス用と狙いが異なる民間試験の結果をどう比較するか。結果を国際基準に置き換えて比べるとはいえ、どこまで厳密な比較が可能か。「欧州では同じ能力でも高く評価してくれる『甘い』試験が人気を集め、試験団体が得点の安売り競争に走る例があったと聞いている」と話す。

民間試験では1回につき、約5000円から2万5000円程度の受験料が必要になる。家庭の経済状況により、受験機会が制限されるケースも考えられる。

出典:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170516-OYT1T50152.html

文科省は受験回数を高校3年の4~12月に2回と限定した。活用する試験を認定する際、全都道府県で複数回実施することや、低所得世帯は検定料を減免することなどを求めることを明確にした。一方で、条件を満たす試験をできるだけ多く認定する姿勢も示す。

〇センター試験後継案、国語と数学では3問程度の記述式を出題する。

大学入学共通テスト(仮称)の〈国語・数学の記述式〉
・採点はセンターが民間業者に委託
・国語は80~120字程度で答える問題を入れ、いずれも3問程度
・マークシート式と合わせ、試験時間は国語が80分から100分程度に、数学は60分から70分程度に延長
・24年度から地歴・公民や理科も記述式を検討

大学入試センターは16日、国語と数学で導入される記述式のモデル問題例を公式ホームページで公開した。

出典:記述式のモデル問題例を公開 大学入試新テスト - 産経ニュース

国語では行政機関の広報資料と駐車場契約書を題材とした2問、数学は二次関数の穴埋め問題と公園整備計画が題材の文章題の2問。いずれも2、3月のモニター調査で出題し、平均正答率は国語33.1%、数学23.8%だった。

国語の記述式では、契約書や行政機関の資料から必要な情報を読み取って、考えをまとめ、論じる問題例が示された。マークシートの問題とは別に、1点刻みではなく、数段階で評価する。

出典:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170516-OYT1T50152.html

国語は3問程度の記述式問題の解答に必要な時間を約20分と想定、試験時間全体を100分程度に設定することが適当と指摘した。

数学では、解答を導く過程の数式の記述を求めている。知識偏重の入試から脱却し、読解力や思考力、表現力を問う。大学入試改革の趣旨に沿った問題形式だと言えよう。

出典:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170516-OYT1T50152.html

画一的な受験テクニックだけでは、正解を得るのは難しい。高校教育の充実につながることを期待したい。

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