■大きく分けて2種類の暗記がある
一夜漬けの暗記法
これは中学高校大学で言えば定期試験のために一時的に暗記してしまえばいい種類の暗記です。つまり一度に覚えてそのまま忘れてしまってもいい(定期試験などの内容は本当は忘れるべきではありませんが)種類の暗記法です。言わば短期的な暗記法です
集中学習と分散学習があり、一夜漬けの場合は集中学習のほうに該当します。
集中学習とは、その名のとおり集中的に学習することです。 平日はあまり勉強せずに、休日一気に6時間連続勉強するのは集中学習です。 集中学習は、「今日はめっちゃ勉強をしたー」というような充実感がありますが、あまり効率的とは言えません。
例えば、中学校で習う1200語の英単語は、 まとめて一気に覚えるよりも一日に1語から2語ずつ分散させて覚えるほうが効率的かつ長期間の記憶保持に適していると言えます。
出典:一夜漬けダメ!絶対!(エビングハウスの忘却曲線)|個人契約 福岡 家庭教師 ふなきち
一夜漬けの場合、翌日には75%が忘れ去られているため試験の結果もよくありませんし 、高校受験のときにはかなりの部分が抜けてしまっているので受験勉強が大変になります。
徹夜や一夜漬けの丸暗記は、脳に定着しません
ヘルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus)の 記憶の忘却についての 研究では 以下のことが 明らかになりました。
20分後には、節約率が58%であった。
1時間後には、節約率が44%であった。
1日後には、節約率が26%であった。
1週間後には、節約率が23%であった。
1ヶ月後には、節約率が21%であった。
一夜漬けで寝ないで頑張って覚えても暗記した用語も単語も1週間でほとんど忘れているのです。
2つ目。しっかり脳に定着させる暗記法
こちらの暗記法は受験や資格試験など長期的な目標に向けて覚えていくための暗記法です。「一夜漬けの暗記法」のように一気に覚えて一気に忘れるというようなことがあっては絶対にいけません。
「一度覚えたことをいかに忘れないか」が大切であり、言わば長期的な暗記法です。
集中学習の場合:
1日に1時間、10個の英単語ずつ丁寧に覚えていく。1週間でちょうど70単語覚える。
分散学習の場合:
1日に1時間、70個の英単語ずつ覚え、1週間で7回繰り返す。
上の例の場合、分散学習の方が効果的だと言えます。
集中学習の場合、前日の10単語は良く覚えているかもしれまんせが、初日や2日目の英単語はあまり覚えていないと思います。
集中学習は短期的な暗記には効果を発揮するかもしれませんが(学習量が比較的少ない中学生の定期試験など)、長期的な暗記には効果を発揮しません。
1、覚えた直後に、復習する。(数分間でもOK)
2、1日後に、再度復習する。
3、1週間後に復習する。
4、2週間後に復習する。
5、1ヵ月後に復習する。
反復の回数が多くて面倒に見えるかもしれませんが、回数を重ねるたびに簡単に記憶がよみがえるようになるので、短時間でさっと復習が終わるはずです。
出典:海馬を刺激する! 脳科学から見る、正しい反復学習と記憶の最適化 - STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
反復学習は全ての勉強の基本ですから、どんな場面でも役に立ちます。
暗記のみそは読むこと、書くこと
読むだけではいけません。書くだけでも知識の定着にはつながりません。「読んで覚える、そして、書くことによって定着させる」というプロセスによって初めて、力強く脳に知識が定着するのです。
■暗記するのための読み方
「大事な用語、文章全てに下線を引きながら読む」
暗記にとって「読むこと」は誰もが実践しているとおり必須の要素です。ただし「どうやって読んで暗記するか」については、千差万別、非常に優れた読み方から目をおおうような読み方まで様々です。
暗記するために「ただ読む」だけでは頭に入らないですし、知識も定着しないことは読者の皆様もおわかりのことと思います。
重要な箇所に下線を引くことにより、その場所と周辺に注意が向くため、要点が記憶に残りやすくなります。
しかし、要点以外にも覚えておきたいところがある場合には注意が必要です。下線部周辺とそれ以外では、再生率(内容を記憶しているか記述できた割合)に約2倍の差があるという実験結果があります。下線を引く場合は、下線を引かなかった箇所があまり記憶できないかもしれませんので、気を付けながら使いましょう。
出典:アンダーラインが邪魔になる? 効果的な読書のためのマーカーの使い方 - STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
下線を引いたのは「どこが大事か」「どこを覚えるべきか」を知るために引いたのではなく、「大事な部分を読みながら意識して脳にたたきこむため」に線を引きながら読むのです。
「常に集中して読む」ために、「下線を引きながら読む」ことに
よって「どこが大事か」考えながら読むことができ、その結果メリハリと集中力を持続させながら「暗記のための読み方」をすることができるのです。
出典:http://kosgi.net/anki1.html
読んでいても、ずっと集中して読めていればいいのですが、どうしても散漫になる時がでてきてしまいます。
「大事な用語に丸をつける」
前節では「下線を引きながら読む」ことで「どこが大事か」考えながら読むことができるとお話しました。
それに加えて、私の場合は、「大事な用語に丸をつける」というマーキングもしながら読んでいきます。
大事な用語に丸をつけることによって、「どこを重点的に覚えるべきか」頭に叩き込みながら読むことができます。
暗記をする際には、暗記をするテキストの他に図、表、資料、資料集などを併用して暗記するとただ、用語の文字づらを覚えるだけで
なく色々な方向から暗記をすることが可能になります。
出典:http://kosgi.net/anki2.html
読む際の2種類のマーキングに加えて、「目で覚える」ことも重要です。
■書く暗記の実践方法
書くことによって知識が定着する
読むだけでは知識は完全には脳に定着していきません。
読んだ後に「書く」というプロセスを経ることによって、初めて覚えるべき知識が定着していくのです。
社会や理科のような暗記事項が多い科目の勉強をする際になかなか普段いい点数を取れない生徒というのは皆、「書いて覚える」というプロセスをきちんとできていない生徒が多いように思います。
読んだだけで覚えたつもりのままではテストでいい点数はとれません。
読んだ後に書くことによって、「覚えたつもり」ではなく「完全に覚える」ことができ、それがテストの結果にもつながっていくのです。
◆「書く暗記」の利点その1~覚える用語の意味を再確認できる◆
言葉を読むだけで暗記するのはなかなか容易なことではありません。やはり、1回もしくは何回か書くことにより記憶として定着することができるのです。
例えば「等速直線運動」という言葉を覚えるとします。
この「等速直線運動」のように覚えるべき用語自体が
この言葉の意味を表しているようなときに、用語そのものの暗記に加えて、その用語の意味までも覚えることができるのです。
◆「書く暗記」の利点その2~用語の漢字を覚える◆
日本史などの問題には問題の注意書きとして
「~を漢字で書きなさい」というような注釈が入っていることがあります。
用語を覚えるだけではなく、その用語を漢字で書けるかどうかという力が問われているのです。このような問題では完璧に漢字で書かないと正解とみなしてくれません。
普段から書く暗記をしておかないと、こういった問題に対応することができず、せっかく覚えているのに結果としてテストの点数につながらない、というもったいない結果になることも考えられるのです。
普段から書く暗記に慣れていれば、こういった種類の問題を得意な問題にしていくことができます。
その方法とは・・・ひたすら書く
もっとうまい方法を期待していたでしょうか、、 でも確実な方法です。
社会や理科、英単語をお母さんが溜めていた広告の裏紙に ひたすら書いて体で覚えたそうです。
写経のように何度も。
書く時にはもちろん、教科書も参考書も何も見ないで書くようにしてください
実際に手を動かすことによって、暗記の効率は飛躍的に上がります。
どんどん手を動かして書いて覚える方法は、必須の学習姿勢です。
もちろん完全に暗記することが目的なので、1回書いただけでは
不安というような用語は覚えるまで書くようにしてください。
出典:五感をフル活用して試験を突破しよう | 公務員試験数的処理解法テクニック KOMARO
「大事な用語」をひたすら1回ずつでいいので書いていくのです。
◆「書く暗記」の後にはチェックをする
一通り書き終わった後に、「答え合わせ」の要領で覚えるべき用語がきちんと覚えられているかどうか、もう一度テキストを開いてチェックするようにしてください。
その時に、書き忘れている用語はないか、書き間違えている用語は
ないかチェックするようにしましょう。
何も見ない状態で書いてもらうわけなので、読んで暗記したつもりなのに書けない用語が出てくると思います。
そういう用語については一通り再度テキストを見ながらまた書いて覚えるようにしてください。