○相続税がかかる財産
相続税がかかる財産は「金銭に見積もることができる経済的価値のあるものすべて」
相続税は原則として、被相続人が所有していた財産のすべてが課税の対象となります。すなわち、現金、預貯金、不動産などの有形の財産はもちろん、営業権、電話加入権、特許権などのように、経済的価値のある無形の財産までが相続税の対象となります。
相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産
死亡退職金、死亡保険金などは、被相続人(死亡された方)の財産でなく、受取人があらかじめ指定されていますので、相続されたものではありません。
しかし、被相続人の死亡によって発生した財産
被相続人が負担していた保険料に係る生命保険金を取得した場合。
この生命保険金請求権は、被保険者の死亡を原因として保険金受取人が直接取得するもので、相続によって取得するものではありませんが、相続税法上は、相続財産とみなして課税の対象にしています。
出典:中央ろうきん友の会|第3回 相続税のかかる財産、かからない財産
一般にみなし相続(または遺贈)財産とよんでいます。
被相続人から死亡前3年以内に贈与により取得した財産
被相続人(死亡された方)の死亡前3年以内に、現金や土地などを受け取っていた場合は、それも課税対象に。
相続時精算課税の適用を受ける贈与財産
相続時精算課税とは簡単にいうと生前に財産をあげても、一時的に課税はせず将来に先送りできます。。
ここでは述べられていませんが、借金などの債務にも相続税は課税されます。
相続税法の定めにより相続材が課される「みなし相続財産」には、下記のものが挙げられています。
≪みなし相続財産≫
■生命保険金等(相法第3条1項一号)
■退職手当金・功労金等(相法第3条1項二号)
■生命保険契約に関する権利(相法第3条1項三号)
■定期金に関する権利(相法第3条1項四号)
■保証期間付定期金に関する権利(相法第3条1項五号)
■契約に基づかない定期金に関する権利(相法第3条1項六号)
■その他の利益の享受(相法第4条、7条、8条、9条)
■信託に関する権利(相法9条の2~9条の6)
みなし相続財産の具体例
○課税対象となる意外な相続財産
名義預金とは
名義預金は、子ども名義の口座だけど実際に使っているのは父といった財産です。
税務署から名義預金とみなされないようにするためにはどのような方法をとっておく必要があるのでしょうか?
それは、贈与契約書を作成し、贈与税の申告を毎年しておけばよいのです。
しっかり贈与したことが証明出来れば名義預金として相続税の計算上加算されることは防ぐことが出来ます。そのためにも贈与契約書を作成し、申告しなければならない場合には申告することが大事になります。
年間で110万円を超えて贈与する場合には、贈与税の申告書を作成する必要があります。
・年間110万円未満の贈与で贈与税の申告書を提出する必要がない場合・贈与契約書を作成する。
・年間110万円以上の贈与をする場合
・贈与契約書を作成
・贈与税の申告書作成
生前贈与した財産
被相続人(死亡された方)の死亡前3年に行われた贈与・財産の引き渡しは相続税が課税されます。
理由は相続税を安くし過ぎないようにするためです。
相続税を安くするためには生前贈与が有効な方法です。しかし、実にもったいない話なのですが、被相続人が元気でいる間は、生前贈与が有効な方法だとわかっていても、「ウチのおじいさんは元気だから長生きする、相続の話しをすると気を悪くするだろう」と、生前贈与をしない家庭が多いのです。
そしていざ、被相続人があとわずかな命というときにあわてて、相続税を少しでも安くしようと、生前贈与をするという家庭が多いのです。
駆け込み的な生前贈与によって、相続税を安くすることがないように設けられたのがこの制度
被相続人(死亡された方)の口座から直前に引き出した現金
贈与と同じように、被相続人の死亡する直前に引き出したものは、相続税の課税がされます。
借地権
持家の一軒家に住んでいるが土地は他人のものだったという場合、に相続税が発生します。
借地権は相続が可能ですが、「借地権者が亡くなったなら土地を返してほしい」という要求を地主がしてくる場合もありますが、基本的には応じる必要は全くありません。
しかし、旧法を未だに扱っているケースや様々な理由から地主とトラブルが発生することも多いのが実情です。
出典:借地権と相続の関係を解き明かす|相続税の評価割合とよくあるトラブル|相続弁護士ナビ
借地権の相続は地主の許可なく可能
○相続税がかからない財産
墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚
日本の風習としてある「先祖を崇拝する」ことに考慮して、墓地などには原則相続税が課税されません。
ただし、
お墓や仏壇などには、相続税がかかりません。これらの財産は祖先を敬うためのものであり、お金には替えることができないものと考えられているからです。たとえ、どんなに価値があるものであっても、相続税がかかることはありません。
ただし、商品や骨董品または投資の対象として持っていた場合には、相続税がかかります。これは、お金に替えることが出来るものであると考えられるからです。
損害賠償金
自ら起こした事故ではなく、不慮の事故で死亡した場合、生命保険金のほかに事故の原因を起こした相手より損害賠償金が遺族に支払われます。
次のような損害賠償金は、その実質からみて資産の譲渡又は貸付けの対価に当たり、課税の対象となります。
1 損害を受けた棚卸資産である製品が加害者に対して引き渡される場合において、その資産がそのまま又は軽微な修理を加えることによって使用することができるときにその資産の所有者が収受する損害賠償金
2 特許権や商標権などの無体財産権の侵害を受けた場合に権利者が収受する損害賠償金
3 事務所の明渡しが遅れた場合に賃貸人が収受する損害賠償金
名称によって判定するのではなく、その実質によって判定すべきものとされています
弔慰金
会社から受け取る弔慰金は相続財産になりません。
ただし、その金額が世間一般の常識的な金額である必要があります。
「常識的な金額」の判断は、業務中に死亡したか、業務外で死亡したかによって変わります。
・業務中に死亡した場合の「常識的な金額」
被相続人の死亡当時の普通給与の3年分に相当する額
被相続人の雇用主などから弔慰金などの名目で受け取った金銭などのうち、実質上退職手当金等に該当すると認められる部分は相続税の対象になります。
普通給与とは、俸給、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当などの合計額をいいます。
被相続人の死亡によって受ける弔慰金や花輪代、葬祭料などについては、通常相続税の対象になることはありません。