空気感染するのか
エボラウイルスの感染力は強いものの、基本的に空気感染をせず、感染者の体液や血液に触れなければ感染しないと考えられている。
空気感染しないと考えられているだけで、はっきり空気感染しないと確定されたわけではない。
レストンでのサルの商業輸入に際して顕在化し、その感染流行により特定されたサルを終末宿主とする「エボラ・レストン株」(現状ではヒトに対する病原性はない)は、空気感染の可能性を濃厚に具現する例として知られているものの、エボラ出血熱の人体間における空気感染の可能性について確定的に定義付けるものとは言えない。
人間に感染しない「エボラ・レストン株」では空気感染する可能性が濃厚
過去に空気感染したとみられる例
Transmission of Ebola virus from pigs to non-human primates : Scientific Reports : Nature Publishing Group
豚をエボラウイルスに感染させました。同じ部屋に猿を4頭飼っているといつの間にか全頭感染しちゃいました。場所は離れてるし、気をつけて掃除したので、豚から猿へは空気感染でしょね。という論文です。
出典:エボラ出血熱を正しく怖がるために——(1)空気感染するのかしないのか? - あなたのまわりの小さなともだちについて
空気感染について今のところの結論
突然変異で空気感染するようにならないのか
人間に病気を引き起こすウイルスで、感染の形態が変異したという前例は報告されてない。このことから、エボラ熱が空気感染型に変異したとは考えにくい。
空気感染とは
医師が話す空気感染性疾患とは、極めて微小な病原体が乾燥状態の空気中でも長期間漂うことで、距離の離れたヒトからヒトに感染する病気を意味する。呼吸で吸い込まれた病原体は、肺深くにまで進んでいく。
ただし、飛沫感染はする
患者の血液、分泌物、排泄物や唾液などの飛沫が感染源となる。患者およびその体液への濃厚な接触は問題であり、死亡した患者の遺体への接触からも感染する。
誰かが咳やくしゃみをすると(エボラの場合では嘔吐だが)、空気中に分泌物の飛沫が散らばる。これが飛沫感染を引き起こす。医療の現場では、患者の気道に呼吸管を通すなど一部の処置でも、同じことが起こる可能性がある。飛沫感染型の病原体は、これらの分泌物に含まれて数メートルの範囲に飛散し、目や口や鼻などを通じて感染する。
空気感染と飛沫感染の違い
飛沫感染を起こす病原体は、水分を含んでいて遠くまで飛びません。1m位の距離までした飛ばないので、感染距離が短いということです。また病原体の大きさも5マイクロメーター以上ということです。
一方、空気感染する病原体は、小さく(5マイクロメーター以下)で水分を含まないので遠くまで飛ぶことができるので感染範囲がひろくなります。
感染の疑いのある時には、まず近くの保健所へ連絡する
もし流行国に渡航し帰国した後、1か月程度の間に、発熱した場合には、万一の場合を疑い、地域の医療機関を受診することは控えていただきたい。まず、保健所に連絡をし、その指示に従っていただきたい。
出典:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola.html
流行国とは、ギニア、シオラレオネ、リベリア