◆三重県のコミュティFM局から5時間に渡り、放送事故用の音楽が流れる事件が発生。
突然放送中止の事態に…一体何が起こったのか?
三重県鈴鹿市全域を放送エリアとするコミュニティーFM局「鈴鹿ヴォイスFM」が20日から21日にかけ、自主番組を放送できないトラブルがあった。
出典:http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015062290202057.html
5時間に渡り放送事故用の音楽が流れるなど、自社制作の放送が出来なくなった。
午後から放送予定だった生放送の情報番組も中止し、代わりにキー局の東京FMが制作した番組を放送。二十一日も同様の状態が続いている。
全時間帯での事故は防いだものの、異常状態が続いた。
◆この混乱は『全社員が出社拒否』したために起こった。
全社員8人が退職願を出して出勤せず、局内のシステムを動かせない状況になったため。
出典:http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015062290202057.html
社外の人に機器を操作してもらい、他社が制作した番組を放送した。
前従業員らに頼んで放送しようとしたが、局内のパソコンのパスワードが変えられていてすぐに対応できず、辞職願を出した従業員も連絡がつかなかったという。
元スタッフら外部の協力で、22日午前に通常の放送を再開した。
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◆「給料未払い」がそもそもの原因らしい。
異常事態に至った原因は、鈴鹿ヴォイスFM側の給料未払いにあるようだ。
給料日だった19日になっても給与の振込がなく、無給状態となったようで、「やってられない」とばかりに、全8人の社員が退職届を提出し、出社を拒否した。
反発した事務職員やディレクターなど七人の全社員が退職願を出し、二十日から出勤していない。
同社は二十一日午後、ホームページに自社番組が放送できなかったことを「番組変更のご案内」として掲載。理由を「機器トラブルの都合」と説明していた。
同社は二十二日に電波法に基づき放送事故として総務省に報告する。
◆「鈴鹿ヴォイスFM」ってどんなラジオ局?
異常事態に陥っている三重県鈴鹿市のコミュティラジオ局「鈴鹿ヴォイスFM」
スズカ・ヴォイスFM(英: Suzuka Voice FM ) は、三重県鈴鹿市に所在するコミュニティ放送局である。株式会社鈴鹿メディアパークが運営しており、事務所と演奏所・送信所は同市住吉町にある。
放送区域:三重県鈴鹿市全域、および亀山市、四日市市、三重郡などの近郊都市(約665,000人)
当局は、地元企業のほか自治体も出資する「株式会社鈴鹿メディアパーク」により運営されている。
鈴鹿市も500万円を出資している。同社は放送業務のほか、フリーマガジンの発行、貸ホールおよびレンタルスタジオの運営などを行っている。
同社は平成二十年八月に設立し、同二十一年三月に放送を開始した。放送エリアは同市全域で、周波数は七八・三メガヘルツ。
国の全国瞬時警報システム(Jアラート)と連動し、緊急地震速報や大津波警報などの緊急情報を発信することになっている。
24時間の放送時間中、自社制作番組を8時間程度放送している。
◆代表取締役が給与未払いについて説明していた。
この件について当初代表は資金が潤沢ではないことは認めた。
給与の未払いについては、「資金繰りに困っていたのは事実だが、ほとんどの社員に給与は支払える状態だと考えていたので若い社員に優先して支払うよう担当者に命じていた」と話した。
22日になって加藤代表取締役は「給与は22日に全員に支払った。ご迷惑をかけて申し訳ない」とした上で「19日に経理担当の社員に給与を振り込むよう命じていたが、振り込まないまま退職してしまった」などと説明している。
一方、退職願を出した社員は「給与が支払われなかっただけでなく、その説明さえなかった。会社に残金がなく給与が支払えないことを役員に報告したが、社員に任せて対処してもらえなかったと聞いている。全員がラジオを愛していたのに残念だ」と話した。
◆加藤正彦社長は「態勢を整え、ラジオ放送を続ける」と強調。
鈴鹿メディアパークのFMサテライトスタジオ
加藤正彦社長(55)は「社員が退職願を出したのは、経営体制の変化に不満があったためだと思う。ご迷惑をお掛けして申し訳ない」と釈明。
出典:http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015062290202057.html
「資金繰りは苦しいものの経営に問題はない。態勢を整え、ラジオ放送を続ける」と強調した。
出典:http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015062290202057.html
取材に、「ご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っている。予定通りに放送できなかったことを二十二日の番組冒頭でおわびする。今後はこのようなことがないようにしたい」と話した。
コミュティラジオは放送範囲が狭く、出演者や制作側のギャラは決して高くない。
しかし作り手や喋り手にラジオに対する情熱やプライドを持っている人が多く、地域の話題を伝えようと必死に努力している。鈴鹿ヴォイスFMの社員たちもそのような情熱を今でも持っていると思うが、やはり給与が無ければ生活は出来ず、背に腹は代えられない部分もある。
ネットユーザーからはラジオ局側を批判する声や、社員たちに「熱意だけでラジオが出来ないのか」と非難する声もある。
◆twitterの声は…
鈴鹿のFMが自社番組中止 全社員が出勤拒否t.co/4jmhEQfR5f
ラジオを愛していたら無給でもやれっということ?だったら役員らはもシステム操作もできないとな。資金繰りに困っていたなら24時間放送する必要があるのか?
職員側からどう警告がなされていたのかによって同情具合が変わる。
結局は信頼感の問題。
「FM局で全社員が退職願 給与遅れ自主番組放送せず」
t.co/2w4vXqAab0
「鈴鹿のFMが自社番組中止 全社員が出勤拒否 」
t.co/KzwghZDtb8
鳥取の養護学校の件といい鈴鹿のコミュニティFMの件といい、理不尽な状況を続けたが故の一斉退職という展開は続くんだろうなあ… t.co/T13sT6pT4h
鈴鹿のコミュニティFMの全社員が辞めて自主制作番組が放送できない問題。一般的に考えれば1ヶ月前ぐらいに辞意を伝えて引き継ぎやるんだろうけど、それもなかったかもっていうのは根が深いねこれ。
鈴鹿のFMが自社番組中止 全社員が出勤拒否 - 伊勢新聞 t.co/b91drZJv57 『期限内に給与を支払わず、全社員が退職届を出して出勤しなかったため』
この社員たちは「給料が出ないなら仕事はしない」という実に立派なプロたちだ。みんな見習おう。