◆「上杉謙信」と言えば、戦国時代の屈指の名将として有名。
上杉謙信 (1530 ~ 1578)
戦国時代の武将。越後守護代長尾為景(ながおためかげ)の子。初め景虎(かげとら)・政虎、のち輝虎。永禄4年(1561)上杉憲政(のりまさ)から譲られて関東管領となり、上杉氏を名のった。謙信は法名。北条氏康(ほうじょううじやす)と争っての小田原攻め、武田信玄との川中島の戦いなどを経て織田信長と対立したが、業半ばで病死。
「毘沙門天の化身」、「越後の龍」などの異名を持ち、義侠に富んだ数々の逸話を残しつつ、戦国時代の最強武将としても名高い稀代の名将。
出典:上杉家 と 上杉謙信
謙信の一生は戦いの日々であった。越後の虎と恐れられ、武田信玄の最大のライバルでもあった。
武田信玄と上杉謙信といえば、長いこと川中島で戦ったという因縁の仲。12年の間に5回も戦ったが、最後は両者退陣という形でこの戦いには幕が下ろされた。
◆戦国武将としては珍しい性格の持ち主だったらしい。
「愛」と「義」に生きた戦のカリスマと呼ばれる
謙信の戦術や作戦などは天才的とも言われ、戦のカリスマとして後世に語り継がれている。また、自分自身を「毘沙門天」の生まれ変わりだと称し、人の道理と義理、人情に厚かった人物であったとも記されている。
正義感が強く、自分の利益のために戦いをすることはなく、最後まで「義」の精神を重んじた戦国武将といわれている。
今川家が武田家に対し、「塩止め(塩の輸出禁止)」 を行いそれを周辺諸国に要請したときも、「それで一番困るのは甲斐の国の民である。そんな事は出来ない」 と言い、逆に甲斐への塩の輸出を推奨した逸話はあまりに有名。
生涯、独身を貫いたため「上杉謙信女性説」も存在する。
上杉謙信女性説(うえすぎけんしんじょせいせつ)は、越後国の戦国大名上杉謙信が実は女性であったとする説である。
上杉謙信にまつわる逸話、伝説、俗説は数多く存在し、女性説もその俗説のひとつである。
髭をはやしていない肖像画はどことなく女性に見える。(戦国時代当時、髭を生やさない武将が極めて稀であった)
生涯不犯(妻帯禁制)を貫いたため、その子供は全員(景勝・景虎・義春・国清)養子だった。
◆カリスマ性を持った上杉謙信。しかし、そんなイメージが崩壊してしまうような事実が現在、ネットで話題となっている。
あるTwitterユーザーが、ネット上などでよく使われる表現「腹筋崩壊」のルーツを発見した。
おかしくてたまらないとき、「やめてーお腹いたいー」と言ったり、ネットでは「腹筋崩壊www」と書いたりしますが…
これと似た意味で、戦国武将・上杉謙信公も「腹筋に候」と手紙で書いていた。
◆きっかけは『乱会@テスト期間中にてツイ減@ransedoukoukai』さんによって投稿されたこのツイート
僕らはものすごくおかしい時に「腹筋崩壊」って言葉を使うことがあるけど、上杉謙信公もだいたい同じような意味で「腹筋に候」って言ってるから、笑いと腹筋をつなげるのはなかなかに伝統のある表現なんだなって http://t.co/yomey0Gs0u
黒田基樹著「戦国関東の覇権戦争 北条氏VS関東管領・上杉氏55年の戦い」より、上杉謙信公の手紙からの引用部分が紹介されている。
◆『腹筋に候』…実は読み方は「ふっきん」ではなかった。
声に出して言いたくなる響きを持った「ふっきんにそうろう」ですが、正しい読み方は「はらすじにそうろう」だそうです。
そういえばさっきの「腹筋に候」どうやら「腹筋(ハラスジ)を縒る」「腹筋(ハラスジ)を切る」という古い慣用句が存在するようなので、「ふっきんにそうろう」じゃなくて「はらすじにそうろう」なのかもしれない
別に上杉謙信じゃなくても、「腹筋(はらすじ)」使った慣用句は「腹筋を縒る」「腹筋千万」「腹筋の皮」「腹筋を抱える」とか、1500年代からメチャクチャありますぞい
◆「腹筋に候」を現代語におきかえるとどうなるのか?
【謙信の手紙】“加様に東方の衆(佐竹氏ら)にさえ出合い、敗戦せしめ候、増して愚(謙信)の越山に旗を合わすべきか、腹筋に候”
【現代語訳】“このように東方衆に対してさえ合戦して敗軍しているのに、ましてや私が越山したときに対戦してくるのだとしたら、ひどくおかしいことだ
出典:上杉謙信公もお腹抱えて笑ってた 「腹筋に候」がネット流行語大賞ノミネートの予感 - ねとらぼ
”黒田基樹著「戦国関東の覇権戦争 北条氏VS関東管領・上杉氏55年の戦い」より
書籍では「ひどくおかしいことだ」と現代語訳されていたが、「腹筋(はらすじ)」を辞書で調べてみると、“「腹筋を縒(よ)る」”、“おかしくてたまらないこと。との説明が
「腹筋を縒る」から転じて、「腹筋(はらすじ)」=「おもしろい」という使い方がされたようです。
・となると口語訳のニュアンスはやはりこうなる?
検索したら既にツイートしている人がいた。原文は上杉謙信天正元年書状「加様に東方の衆にさえ出会い、敗軍せしめ候、増して愚の越山に旗を合わすべきか、腹筋に候」で、「佐竹家にすら負けてるのに、自分が関東に出兵した時に北条氏政が戦いを挑んでくるとしたら、ちゃんちゃらおかしい」という意味。
"@1059kanri: 上杉謙信天正元年書状『加様に東方の衆にさえ出会い、敗軍せしめ候、増して愚の越山に旗を合わすべきか、腹筋に候』意味は正しく「佐竹とかすらにも負けてる北条氏政が俺が越山した時に戦いを挑んでくるとか、腹筋崩壊しちゃうよwwwww」である。"
これって「あいつがw俺に攻め込んでくるとかwwwちょwそんなんマジ腹筋に候」的な、どっちかっていうと「ちゃんちゃらおかしい」「片腹痛いわwww」みたいなニュアンスだなってww >RT
非常にわかりやすい口語訳ですw
「あいつがw俺に攻め込んでくるとかwwwちょwそんなんマジ腹筋に候」
謙信さまのイメージが崩れて腹筋に候w
「腹筋崩壊」と「腹筋に候」は、若干ニュアンスは違うものの、「おかしい」という意味では共通しているようだ。
◆上品な感じもする表現のためか、Twitterユーザーは大きな関心を寄せている模様
後白河院の時代から「笑壺に入る」と言う表現もありますし、笑いに関する感覚は千年前から変わってませんね! t.co/G52aLJlKQY
ねぇそういえばさっきこんなの見つけて腹筋に候wwwwwww http://t.co/NAU2xQjoWn
偉大なる戦国武将・上杉謙信にまたひとつ伝説が生まれたようです。