◆目覚ましい勢いで進化する「ウェアラブルデバイス」
ウェアラブルとは、直訳で「身に付けられる」という意味。
パソコンやスマートフォン、タブレットとは異なり、メガネ型や腕時計型など「スマホの次」に来るデジタル機器として市場拡大が注目されている。
スマートウォッチやスマートグラスなど、ウェアラブル端末の市場への投入が急速に進んでいる。
Google Glass
GoogleがProject Glassという研究開発プロジェクトで開発しているHMD方式の拡張現実ウェアラブルコンピュータ。手に持つこと無くどこでもどんな時でもインターネットとコンピュータにアクセスできる。Google Glassはスマートフォンのような形式でハンズフリーに情報を表示し、自然言語音声コマンドでインターネットを使用することができるようになっている。
Apple Watch
Apple Watchとは、Appleが2014年9月に正式発表したスマートウォッチの名称である。Apple Watchは単独でも腕時計として機能するが、iPhoneと連携することによりメッセージの送受信、iPhoneにかかってきた電話への応答といった、iPhoneの機能を手首に装着したApple Watchによって行う利用法を可能にする。
2015年はウェアラブルデバイス市場がいよいよ大きく飛躍する年。
◆そんな中、腕につけるだけで涼しくなれる「ウェアラブルデバイス」が開発された。
ブレスレット型ウェアラブル端末「Wristify」
エアコンを使って部屋の気温を変化させようという発想はもう古いのかも…。
マサチューセッツ工科大学の学生が開発中のブレスレット型ウェアラブル端末「Wristify」は、腕に着用することで自分の体温を調整することができるデバイス。
当然、部屋全体の温度を変化させるエアコンよりも、環境にもお財布にも優しい。
・動画ではプロトタイプ(試作機)を実際に付けた人の感想も
EMBR labs presents: Wristify Reactions
出典元:YouTube
かなり好評のようです。
◆どんな仕組みで涼しく感じるようになっているのか?
まだプロトタイプとはいえ外見的には、かなり未来的なデザイン。
「Wristify」は、皮膚の表面上にある温度を認識する「温度受容器」へと波を送ることで、体温を変えることができます。
空気と肌表面温度をモニターして「暑い」や「寒い」という信号を手首に送ることで体温を快適な温度に保つ。
気温と体温の両方を認識し、最も快適な温度に体温を自動調節してくれる。
例えば、プールや湯船に手を入れた時と同じ効果を生み出すことが出来る。
◆この「Wristify」はマサチューセッツ工科大学の学生4人によって発明された。
腕に付けておくだけ外の温度を計測して体温を自動で快適な温度に調節してくれる仕組み
マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生4人チームWristifyが開発し、2013年のMADMEC(マサチューセッツ工科大学主催のテクノロジーコンペティション)にて一等賞を獲得した。
テクノロジーコンペ・MADMECとは?
BPやSaint-Gobain、Dow Chemicalなどの企業がスポンサーを務めるコンペティション。1年に1度行われる。
このコンペでは学生が3~5人集まり1つのチームを構成、各チームはコンペティションのお題に沿った製品のプロトタイプを作成します。作成用の資金として各チームには1000ドル(約9万8000円)が配られます。6月にプロジェクトがスタートしてから毎月チェックが行われ、それぞれのチームのプロトタイプを徐々に形にしていきます。
この開発の途中段階でWristifyは、人間の肌はちょっとした刺激にも非常に敏感で、体温はすぐに変化し、その変化は体全体にまで及ぶという発見をします。
この現象を利用して体の一部に毎秒0.1C(クーロン)以上の負荷を与えることで、全身の体温を上げたり下げたりすることが可能ということも判明。Wristifyはこれらの発見を基に15個のプロトタイプを作り、ついにリチウムポリマー電池1本で8時間駆動可能なリストバンド型のプロトタイプを完成させます。
現在アメリカで消費されるエネルギーの16.5%が冷暖房に利用されているとのことですが、Wristifyの体温調節リストバンドにより完璧に人間の体温調整が可能になれば、冷暖房に使用されるエネルギー消費量を大幅に減らせる可能性もあります。
現在、賞金1万ドルを受け商品化へと開発が進められています。
まだプロトタイプとはいえ、バッテリー駆動で8時間稼働するそうで、使い勝手も悪くなさそう。
公式HP
<a target="_blank" href="http://www.embrlabs.com/">http://www.embrlabs.com/</a>
◆個性あふれる「ウェアラブルデバイス」はこれだけではなかった。注目を集めている「新型ウェアラブル端末」を紹介します。
1.【Ring Zero】指一本でなんでもできる!
多機能さが話題になった指輪型デバイス。
01.照明を付ける
02.テレビを付ける
03.タクシーを呼ぶ
04.SNS投稿
05.オーディオを再生・スキップする
06.スマホ撮影のシャッター
07.データのアップロード
08.連絡先の交換
人差し指に装着すれば、あらゆるデバイスをジェスチャーでコントロールできる。
出典:指先1つでさまざまなデバイスをコントロールできる「Ring」 日本のベンチャーが発売へ - ITmedia NEWS
Ring ZEROでは、スマートフォンがスリープした状態でも操作ができる。例えばiPhoneをポケット入れたままでも、ジェスチャーをするだけで音楽再生をスタートしたりできる。
ジェスチャーは「Ring」アプリに登録でき、例えば「△」と描いたら音楽操作を開始、「V」と描いたらテレビの電源を消す、といったことができる。
出典:初代より軽くなって認識精度も向上――ログバーが「Ring ZERO」を発売:アプリのSDKも公開予定 - ITmedia Mobile
Ring ZEROで音楽を再生したり音量を調整したりする様子
出典元:YouTube
2.【Nail O】料理中も操作可能!爪型デバイス
ネイルアートのように爪先に装着することができる新型のウェアラブルデバイス「NailO」
「爪と同じぐらいの大きさのトラックパッド」で、わずかに指を動かすだけでもいろいろな操作ができるデバイス。
この絆創膏のような超薄手の機器ひとつで、タブレットなどのスクロール操作や文字入力、複数の操作を行うことができる。
NailO: A thumbnail-mounted wireless trackpad
出典元:YouTube
デザインの着せ替えも可能なようです。
3.【D Free】もうトイレに駆け込まずに済む!
お腹に貼るだけで排泄を予知するデバイス『D Free(ディーフリー)』
お腹に貼っておくことで、トイレに行きたくなる時間を前もって知らせてくれる。
『D Free』は、トリプル・ダブリュー・ジャパン社が医師や識者の協力を得て開発中で、その仕組みは超音波センサーで膀胱や前立腺、直腸をモニタリングし、膨らみや振る舞いをもとに排泄の兆候を検知するというもの。
開発者は、製品発表の場で、なんと「漏らした」経験をカミングアウト!その苦い経験から製品が生まれたそうです。
D Free
出典元:YouTube
4.【Lumo Fit】姿勢を矯正してくれる!
衣類に挟み込むことで正しい姿勢に矯正してくれるデバイス『Lumo Fit』
「Lumo Fit」は、iOSやAndroid端末と同期させ、専用アプリケーションをオンにしておくと背筋が曲がっていたり前屈みになっていることを振動で通知。
姿勢の悪さを振動で知らせるウェアラブルデバイス「Lumo Lift」が、アメリカのスタートアップ企業Lumo BodyTechから発表された。
前かがみになっていたり、体が沿っていたりすると振動で教えてくれます。また歩数計や心拍数の管理も同時にできるので、猫背を矯正しつつ運動量も管理したいビジネスパーソンにとっては便利。
出典元:YouTube
5.【HAL】着るロボット!パワードスーツ
筑波大学とサイバーダイン社が開発したパワードスーツ『HAL』
1996年に筑波大学山海嘉之教授らによって開発されたロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)は皮膚表面の生体電位信号を読み取り動作する世界初のパワードスーツであり、その後産学共同体企業サイバーダインが設立されている。この装置の全身型は例えば100kgのレッグプレスができる人間が装着すれば180kgを動かすことができ、数kgを持ち上げる感覚で40kgの重量物を持ち上げることができる[5]。2008年10月よりHALの下半身タイプが大和ハウス工業からリース販売されている。
このスーツを装着すると、重い荷物や人の体を高齢の方でも難なく持ち上げることが可能。動作を助けるために腰や膝など複数個所にモーターを設置。姿勢によって自動で動きが補強されます。
Robot Power Suit
出典元:YouTube
農家や介護の現場ではすでに使用されているところもあり、今後災害時の対応にも活躍が見込めそう。