◆2011年3月11日 東日本大震災発生
2011年3月11日、この日を忘れることはないだろう。
東北地方太平洋側を中心に巨大な地震により、日本は近年まれに見る大打撃を受けた。
3000人を超える震災関連死を含め、死者・行方不明者は2万1000人に上る。未だ避難生活を送る人も全国で19万人以上となっている。
未曽有の津波により福島第一原子力発電所は全電源を喪失。原子炉を冷却できなくなり、1号炉・2号炉・3号炉で炉心溶融(メルトダウン)が発生。
大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故に発展した。
浪江町・双葉町・大熊町は未だに帰宅困難区域、飯館村・富岡町は居住制限区域。
福島第一原発事故の影響で双葉町・大熊町・浪江町は「帰還困難区域」となった。(ピンク色のエリア)
原子力災害により放射線の年間積算線量が50ミリシーベルトを超え、5年間を経過しても年間積算線量が20ミリシーベルトを下回らないおそれのある地域。5年以上の長期にわたって居住が制限される。2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故で拡散した放射性物質による住民の生命・身体への危険を回避するため、同年11月に国が設定した。
◆あれから4年半…第一原子力発電所周辺は一体どうなっているのか?
この度、外国人カメラマンが福島第一原子力発電所周辺を撮影。
出典:http://plus.open-career.jp/article/561782690984a8986b04f689
撮影したのはこの方。ポーランドのフォトジャーナリストであるArkadiusz Podniesinskiさん。
Arkadiusz氏はチェルノブイリや福島原発事故に関するドキュメンタリーも制作している。
取材クルーと共にドローンも駆使しながら、防護服を身に着け、第一原発から20km圏内・福島県双葉郡に撮影に入った。
FUKUSHIMA
<a target="_blank" href="http://www.podniesinski.pl/portal/fukushima/">http://www.podniesinski.pl/portal/fukushima/</a>
海外ドラマ『ウォーキングデッド』さながらの終末世界になっている、と英紙は紹介。
出典:プロ写真家が捉えた「フクシマの今」が驚き!廃墟と化した街並みは『ウォーキングデッド』さながらと英紙 : ユルクヤル、外国人から見た世界
◆『そこだけ時間が止まっている』…衝撃の光景が飛び込んでくる。
今回、撮影を行ったArkadiusz Podniesinskiさんは、「ここだけ完全に時間が止まっているということを、ただ実感した」と話しています。
検問所を通り抜けると…
そこには廃墟と化した双葉町の道路が…
◆スーパーマーケット内の様子が生々しい
スーパーマーケットの棚にはまだ商品が残っている状態。
第一原発の近くにあるスーパー
揺れの大きさを物語る。
商品が腐敗し散乱したまま。
蜘蛛の巣が張り巡らされ商品は床に散らばったままだ
出典:プロ写真家が捉えた「フクシマの今」が驚き!廃墟と化した街並みは『ウォーキングデッド』さながらと英紙 : ユルクヤル、外国人から見た世界
蜘蛛の巣だらけとなったスーパー
◆ありとあらゆる店舗が当時のまま…
お箸やお膳が並んだままの宴会場
地震により本棚から本がばらまかれた状態の本屋
KFC
マクドナルド
CDレンタルショップ
ドラッグストア
理容店
パチンコ店
コインや小銭はそのままになっている。
◆学校も当時のままだった。
草木が生い茂る
床が陥没した体育館
パソコンも当時のまま並んでいる
自転車が置かれたまま
黒板には、学生たちが書き残した“必ず復興する!”の文字が…
◆外の風景は自然に飲み込まれ、目を見張る光景に。
草に飲み込まれていった道路脇のバイク。
車も完全に埋没。
草木はゆっくりと車を飲みこんでいった。
ガイガーカウンターは6.794uSV/hを示す。
ドローンによって空撮された様子。
車は乗り捨てられ、完全に草木に覆われてしまっている。
第一原発から20キロメートル圏内にあった公園のゴーカートは、まさに今からスタートする状態のまま
山積みになったテレビやデスクトップ
地割れした大地に放牧された牛。
これらの牛はこの地に残った吉沢正巳さん(60歳)がお世話をしている。取り残され、おなかをすかせた牛たちを見捨てることはどうしてもできなかったという吉沢さんは、彼らが死ぬまで世話を続けるという。
世界各地にあるゴーストタウンと同様の光景の中、ただ1つ、異質だったのは、地面に規則正しく並んだ汚染土を入れた無数の黒い袋。
スペースを節約するため袋の上に袋が整然と積み重ねられている。
汚染土袋が置かれている土地の所有者には、いずれはこの土を撤去すると告げられているが、それがいつになるのかはわからない。
ドローンで撮影した航空写真からは汚染土を入れた袋の量に圧倒される。
こういった作業は今も続けられている。