たまに見るA320パンクのトラブル、前輪が90度横を向く
「ジェットブルー292便」緊急着陸
出典元:YouTube
一昨日、イスタンブール発バーゼル行き ペガサス航空 A320がバーゼル着陸時前脚タイヤが90度偏向し両タイヤがパンク、飛行機はそのまま滑走路上で停止したでござる。
A320は多いでござるな、このノーズギアが明後日の方向を向くインシデント。 https://t.co/5rmTFWPI8A
24日午前8時10分ごろ、福岡空港(福岡市)に着陸した関西空港発のピーチ・アビエーション151便(エアバスA320型機)のタイヤがパンクし、滑走路が閉鎖された。午前10時35分ごろに閉鎖は解除され、...
ピーチ機は前方のタイヤ2本がパンクしたほか、タイヤホイールが破損。タイヤが横を向いた状態のまま滑走路上で動けなくなった
出典:【電子版】福岡空港の滑走路、一時閉鎖 着陸のピーチ機パンクで | 商社・流通・サービス ニュース | 日刊工業新聞 電子版
とある話題のツイート
ちなみにA320のノーズギアのステアリングは、故障すると意図的に90°真横に向かせるシステムが存在する。もしこれが中途半端な方向に向くと設置した瞬間機体が飛んでもない方向に滑走してしまうのでその防止策。
これについては実はA320の操縦マニュアルにも書いてある。 t.co/D0bjPbaTfe
詳細の記事も発見
ピーチの前輪がパンクした2018/3/24(土)に福岡空港で発生したピーチA320のパンク事故。そんなに話題にはなっていませんが、ピーチとバニラの統合報道の直後だったので、何となく目に留まった人もいるのではないでしょうか?あの事故、ただのパンク事故ではないという認識を僕は持っています。「前輪が90度横を向いていた!何事だ!あり得ない!」と叫びたくなるような事故です。ただ、前輪の向きの異常性を大きく取り上げている報道はほとんどなく、前輪の向きに関しては「なお書き」程度、むしろ「福岡空港は過密だ」とか「前輪のパンクは珍しい」とか若干的外れな方向に報道が行っています。ピーチが無意味に叩かれていないの…
「前輪が90度横を向いていた!何事だ!あり得ない!」と叫びたくなるような事故
同様の事故、2005年、ジェットブルー292便事故に関する解説
ジェットブルーの事故で前輪が90度真横を向いてしまった経緯を簡単に説明します。ここは理解が難しいところなので、「前輪が真横に向くような故障状態になることがマニュアルに書かれている」ということが理解できればよいです。
ジェットブルーの事故では、とある原因により前脚が故障し、離陸後のギアアップ時にセンターよりも少し角度が付いて格納されようとしました。その状態になると、「L/G SHOCK ABSORBER FAULT」(ショックアブソーバー故障)という警報が出ます
作動シーケンスがズレるとコンピュータは「なんか変だ」と判断し、2つ目の警報として「WHEEL N/W STRG FAULT」(前脚ステアリング故障)を出します。それとともに油圧が切られました。
この2つの警報が出るとどうなるか。マニュアルには「前脚はセンターから90度回転する」と書かれています。しかも、この状態になった場合「着陸時、可能な限り前輪を遅く接地させよ」と書いてあります。
マニュアルの記述から、この故障モードに入った場合には前輪を意図的に90度に向けていることが読み取れます。「トラブルが起こった場合は90度横に向けるから、あとはゆっくり接地して被害を最小限にしてね。」という意図が感じられるのです。
記事の結論、この仕様で大事故は防げる!
タイヤが制御不能だと、滑走路を逸脱するなどし、他の飛行機との衝突など、大惨事に。
ピーチの事故は前輪が90度になったことで、大事故を免れたと考えることもできるでしょう。もし90度ではない角度で固着していたら、また、イスのキャスターのように自由に動いてしまっていたら、滑走路を逸脱し他の航空機と衝突していたかも知れないのですから。