◎マー君の魔球に、美馬「うお!何だこれ!」
田中将大
楽天イーグルス
「うお!何だこれ!」。身長1メートル69の小兵はジャンプして辛うじて捕球した。およそ20メートル先で田中は不敵な笑み。その表情が「狙い通り」であることを物語っていた。
出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140121-00000000-spnannex-base
「カットボールの軌道で、凄く伸びた。あんなボールは今までに見たことがないです。ビックリしました」。
◎田中が投じたのは「ライジングカット」!!
大リーグ公式球は日本の統一球に比べて滑りやすく、縫い目も高いため、大きな変化が生まれることが多い。
◎浮き上がるようなカットボール
少ない球数で打たせて取れる。浮き上がるようなカットボールは打者が球の下を叩いて小フライとなる可能性が高く、完全習得できれば大きな武器になる。
◎ヤンキースの黒田も「カットボール」の使い手
黒田博樹
ニューヨーク・ヤンキース
カットボールが会心の当たりをされたことは皆無だった。キャッチボールでは相手に直球に見え、「ビデオ(分析)でもそうとしか見えない。それが(実際に)打ちにいったら、ほんのちょっと動いている」という。
出典:http://113.34.94.39/baseball/news/2012/03/14/kiji/K20120314002822270.html
ほんの少しの動きでバットの芯を外す球だが、とくに左打者には有効といわれている。
◎黒田のカットボールは史上最多投手の教えによるもの
カッターの名手であり、史上最多の通算603セーブを挙げている守護神マリアーノ・リベラ投手の教えによるもので、その効果は計り知れない。
◎リベラのカットボールは「偶然の産物」
ブルペンでラミロ・メンドーサを相手に投げていた際、ストレートのつもりで投げたボールがメンドーサから見て右にスライドしていった。
マリアノ・リベラ
ニューヨーク・ヤンキース
通算602セーブ目を挙げ、トレバー・ホフマンの601セーブを抜いて、メジャー最多記録となった。
2013年に現役を引退、コミッショナー特別表彰を受けた。
数日後、デトロイトでキャッチボールをした際にも、ボールが右にそれる癖は抜けないままだった。そこで2人で話し合って「試合で投げたらどうなるか試してみよう」ということになった 。
◎速球とカッターでMLB屈指のクローザーとして活躍
リベラのカッターは90mph半ば(約153km/h以上)を超える球速で約20cm変化すると言われ、空振りを狙うことも可能である。
◎ダルビッシュの投げる「ジャイロカッター」
ダルビッシュ有
テキサス・レンジャーズ
研究心や好奇心から”どのような回転を加えればボールがどう変化していくか”を常に脳裏に巡らせているダルビッシュだからこそ投球可能となるのがジャイロカッターなのである。
出典:http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/2010/08/18/article52/
このジャイロカッターは左打者に対して浮きながら胸元に食い込んでくるため、どうしてもよけながらのバッティングを強いられてしまう。そのためフェアゾーンに打つのは極めて困難で、ファウルにするのがやっと。
出典:http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/2010/08/18/article52/
◎頭を使って投げられるピッチャーに成長した田中将大
かつての恩師である野村克也さんは「技巧派投手だった東尾のように、頭を使って投げられるピッチャーに成長した」といっています
出典:http://www.excite.co.jp/News/sports_clm/20130624/Taishu_sports531.html?_p=1
田中将大の球種
○ストレート(いわゆる直球、近年はフォーシームとも)
○スライダー(縦変化と横変化がある)
○フォーク(縦に落ちる)
○シュート(投手の利き腕の方向に変化)
○カーブ(利き腕の反対側に大きく曲がる)
○チェンジアップ(速球と同じ腕の振りで投げるスローボール)
○カットボール(横スライダーより速く小さく変化する)
○ツーシーム(ストレートと同じ軌道で、打者の手元でわずかに変化)
○スプリットフィンガード・ファストボール(ストレートとフォークの中間、SFFと略される)
◎メジャーではストレート系の速い変化球が有効
「メジャーではきれいな回転のストレートは通用しません。成功している岩隈の例もあるように、ツーシーム、カットボール、シンカーのようなバッターの手元で微妙に変化するストレート系の速い変化球が有効なんです。田中が投げている高速変化球は、メジャーでも十分通用しますよ」
岩隈久志
シアトル・マリナーズ
◎「ライジングカット」は大きな武器に!!
浮き上がるようなカットボールは打者が球の下を叩いて小フライとなる可能性が高く、完全習得できれば大きな武器になる。
出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140121-00000000-spnannex-base
◎田中将大、華麗なメジャーデビュー!
田中は6試合に先発して全てクオリティースタート(6回以上を投げて自責点3以下)で、4勝無敗、防御率2・53。
◎しかし、ライジングカットを投げた形跡はない
田中は左打者の内角を攻めるため、昨年からカットボールを使っている。しかし、ここまでライジングカットを投げた形跡はない。
◎美馬選手が勝手に驚いただけ…
「(ライジングカットなんて)投げてないですよ! あの時は僕がしゃべらないからって、(メディアが)美馬さんに話を聞きすぎですよ」と苦笑い。
「(ライジングといわれたボールは)ボールの縫い目を違うふうに持って、横に滑らせて投げていただけですから。(ボールが)上がるように投げていただけ。
浮き上がる軌道を描くボールが投げられることは認めた。つまり、可能性はある。もちろん、今持っている球種の精度をさらに上げることが一番大事ではあるが、あくなき向上心を持つ田中だけに期待は膨らむ。田中が新魔球を投げる日が楽しみだ。