◎『印象派』という言葉が誕生したきっかけはモネから
『印象派』という言葉が誕生したきっかけは、モネの作品からなのです。
出典:【クロード・モネ】
「睡蓮」
「光の画家」とも呼ばれているモネは、睡蓮(すいれん)以外にも数多くの美しい作品を残しています。
出典:【クロード・モネ】
◎10代中頃には絵の才能を見せ始めたモネ
10代中頃には絵の才能を見せ始め、1858年、18歳で対岸で活動していた風景画家ウジェーヌ・ブーダンから自然の中に潜む美を学び、同氏と共に屋外での制作活動を始める。
クロード・モネ
(Claude Monet, 1840年11月14日 - 1926年12月5日)は、印象派を代表するフランスの画家。「光の画家」の別称があり、時間や季節とともに移りゆく光と色彩の変化を生涯にわたり追求した画家であった。モネは印象派グループの画家のなかでは最も長生きし、20世紀に入っても『睡蓮』の連作をはじめ多数の作品を残している。
◎16歳頃から日本に興味を持つモネ
モネは、16歳頃にはすでに、水夫たちが日本から携えてきた版画や日本品に対して、夢中になっていたという。モネが16歳という時期は、1856年頃のことであり、まだ日本とフランスとの間には通商関係がなかった。おそらく、オランダ商船のル・アーブル入港ということが想定される
◎「緑衣の女」は浮世絵の構図を意識している
浮世絵の『立美人画』を意識的に類似している。
「緑衣の女」
◎浮世絵の技法「サン・タドレスのテラス」
浮世絵の技法は、印象派の「スナップショット」アングルと斬新な構図に大きく貢献した。モネの『サン・タドレスのテラス』(1867年)はその例であって、大胆な色の塊りと強い斜線のある構図は浮世絵の影響である。
「サン・タドレスのテラス」
◎「印象派」のはじまり
印象派とは、モネ、ルノワール、シスレー、ピサロらを中心とした画家によるグループの総称です。彼らは当時のフランス美術界の主流であったサロン(官展)に対抗する形で展覧会を開催しました。
出典:いべさん
◎伝統的な絵画技法にとらわれない表現
彼らの絵画の特徴は、屋外制作による光を意識した明るい色彩表現と伝統的な絵画技法にとらわれない大胆な筆使いにあります。
出典:いべさん
身近な同時代の風俗や風景、新しい文明の姿をよくモチーフにしました。
出典:いべさん
◎ルイ・ルロワが皮肉を 込めて彼らを「印象派」と呼んだ
当初、こうした自由な表現に対しては批判の声が相次ぎました
出典:いべさん
この展覧会を見た評論家たちは、モネが展覧会に出品していた作品『印象・日の出』から彼らを印象主義者だといったのです。これが印象派と呼ばれるきっかけになったのです。
出典:【クロード・モネ】
「印象・日の出」
レロイはモネの絵画はせいぜいスケッチであり、完成した作品とは言えないと断じた。見物客どうしの会話のかたちを借りて、レロイはこう書いている。
◎「何といういい加減さだ! 」
印象かぁー。確かにわしもそう思った。わしも印象を受けたんだから。つまり、その印象が描かれているというわけだなぁー。だが、何という放漫、何といういい加減さだ! この海の絵よりも作りかけの壁紙の方が、まだよく出来ている位だ
◎まったく相手にされなかった印象派
印象派の登場当初は、この時期には王侯・貴族に代わって芸術家たちのパトロン役になっていた国家(芸術アカデミー)にも評価されず、印象派展も人気がなく絵も売れなかった
◎しかし、その後、印象派は広く認められることに!
アメリカでの成功をきっかけに広く認められるようになり、やがて近代絵画の新たな流れを生みだしました。
出典:いべさん
「日傘を差す女」
◎世間に認められるようになると、ジヴェルニーへ移住
生活が安定するようになったモネは43歳でジヴェルニーという村に移住します。風景画を描き続けていたモネは、花をとても愛していたのでとても広い土地に花や木を植えた美しい庭をつくりました。
出典:【クロード・モネ】
◎日本庭園をイメージした庭
浮世絵に強い影響を受けたモネは、日本庭園をイメージして池に睡蓮を浮かべ、藤棚がある緑色の太鼓橋も架けました。
睡蓮の画家モネが愛したフランス「ジヴェルニー」で光のマジックに酔う | フランス | Travel.jp[たびねす]
そして池の周りには柳、竹、桜、藤、アイリス、牡丹などさまざまな植物が植えられました。
「睡蓮の池・緑のハーモニー」
◎日本美術に大きく影響を受けたその作風
浮世絵など日本美術に影響を受け、不朽の名作を生み出したモネ。
◎日本大好き!来客は断るが日本人は歓迎した
晩年のモネは、ジヴェルニーの自宅への来客を断る事が多かったが、日本人の来客は歓迎したと言われる。
ジヴェルニーの自宅に来訪した日本人家族の少女に顔をほころばせるモネの写真が残されている。
「日本の太鼓橋(日本の橋)」
若い頃からの日本美術への傾倒が、その理由の一つであったと思われるが、モネの作品が日本に多く在る事と合わせて、モネと日本の結びつきが感じられる。
◎「モネ展」が東京・ 福岡・京都など各地で開催
■東京展
会期:2015年9月19日(土)〜12月13日(日)
時間:9:30~17:30 ※入室は閉室の30分前まで。
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
休室日:
月曜日(ただし9月21日、10月12日、11月23日をのぞく)、10月13日(火)、11月24日(火)
■福岡展
会期:2015年12月22日(火)~2016年2月21日(日)
会場:福岡市美術館
住所:福岡県福岡市中央区大濠公園1−6
■京都展
会期:2016年3月1日(火)~5月8日(日)
会場:京都市美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
■新潟展(予定)
会期:2016年6月4日(土)~8月21日(日) ※予定。
会場:新潟県立近代美術館
住所:新潟県長岡市千秋3丁目278-14