◆「万引き」の呼び名が消える?
「万引き」
店員に見つからないように金を払わず商品を持ち出すこと。窃盗の手口の一つ。
都内で昨年十一月下旬に開かれた「東京万引き防止官民合同会議」で、民間業者の代表が警視庁幹部を前に「万引き」の呼称変更を検討するよう迫った。
出典:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010802000136.html
名称変更を唱える日本小売業協会 会長「土方 清」さん
日本小売業協会(千代田区)の土方(ひじかた)清会長(69)は「東京五輪・パラリンピックを前に安全安心を高める観点からも刑法犯の入り口である万引の高止まりは軽視できない。名称の変更は万引撲滅に向けた都民、国民の意識を盛り上げる求心力にもなりうる」と説明する。
新名称が定着しつつある「危険ドラッグ」にならって、呼称の変更を求める声が高まっている。
出典:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010802000136.html
警視庁はネーミングを問うことで世間の関心が高まる可能性があるとして新たな名称も検討するとのこと。
出典:「万引き」の名称変更を検討 | グッド!モーニング 2015/01/09(金)04:55のニュース | TVでた蔵
◆理由は「犯罪の印象薄く、撲滅妨げ」になるから
万引きは「窃盗罪」!しかし世間の万引きのイメージは軽いもの
出来心から、こっそりとポケットに忍ばせる-。そんなイメージもある万引。
後を絶たない被害に苦しむ東京都内の小売業者からは、「万引」という呼称が犯罪という印象を弱め、撲滅の妨げになっている、との指摘も。
出典:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010802000136.html
◆そもそも「万引き」の語源って?
言葉自体は江戸時代から使われており、語源の由来については諸説ある。
商品を間引いて盗む間引き、間の文字に運の意味もあるため結合されて運を狙って引きぬく、機会(=間)を狙って盗むという由来、他には一度やれば万回繰り返すからという説、などと様々な説がある。
◆「万引き」は「軽犯罪」ではなく、立派な「窃盗罪」!
万引きは窃盗罪!10年以下の懲役または50万円以下の罰金刑が科される。
一つの被害だけ見れば小規模であることや文字・語感から軽く見られがちであるが、軽犯罪には該当しない。
窃盗罪として扱われる、立派な犯罪行為である。10年以下の懲役または50万円以下の罰金刑が科される。
◆どんな名称が検討されているのか?
業界内では「『盗』という漢字が入るようなネーミングだと窃盗である印象が強まるのでいい」などの意見が上がっている
出典:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010802000136.html
警視庁生活安全総務課の桜井美香課長は「防犯キャンペーンなどで使えるネーミングなどを今後、検討していきたい」と語る。
出典:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010802000136.html
一橋大大学院言語社会研究科の安田敏朗(としあき)准教授は「既に普及した言葉を新しく置き換えるのは難しい」と前置きした上で「名称変更の動きそのものが人々の関心を喚起し、万引の抑止につながるという意味はあるだろう」と指摘している。
出典:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010802000136.html
◆深刻な「万引き被害」が背景にあった。
一昨年の万引きの件数は12万6386件と高止まりのまま。
出典:「万引き」の名称変更を検討 | グッド!モーニング 2015/01/09(金)04:55のニュース | TVでた蔵
万引きの被害は、全国で一日あたり約12億6,000万、万引き被害総額は年間で約4,615億といわれる。
出典:万引き被害でお困りの方へ|顔認証万引き防止システム【LYKAON】-エナジール株式会社-
経済産業省が発表した「商業統計」2009年
◆実際に検挙されているのはたったの1割
「減らない万引き」のこの時代。実際に検挙されているような被害は1割と言われている。なんと、9割が検挙されていない実態
検挙されていない、報告されていない被害を含めると10倍の約4兆6,000億円にまで上る損失が出ているのではないかと想定されている。
◆「万引き被害」は小売業者にとっては死活問題
「多い店舗で食料品などを中心に年間七千万円分の商品ロス(損失)があり、うち五~六割は万引による被害額とみられる」。(大手スーパー関係者の一人)
出典:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010802000136.html
製品原価からすると、1つの損失を補填するためには同じ商品を複数個売り上げなければならないし、それにかかる余計な手間やコストは売る側が泣くしか無い。
出典:http://dic.nicovideo.jp/a/%E4%B8%87%E5%BC%95%E3%81%8D
例として、大手スーパーだと「100円の商品」を失った被害は「3000円の売り上げ」でようやく取り戻せるものらしい。
特に、一般に粗利が低いとされる書籍の場合、一冊盗まれると何十冊と売らないと損が取り戻せないとされる。
出典:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015010802000136.html
一時期の書店は悲惨で、1店舗で年に200万円以上の被害を出し『万引き倒産』という言葉を世に広めた。
しかも万引きは常習犯が多く、捕まってない者はおろか一度逮捕されても再犯するのが4割といわれている。何度も狙われた店側は堪ったものではないだろう。
◆防犯対策をしても万引き件数は減らない。
最近では警備員や検知器を設置したり、空箱・カードをレジで交換するという防犯対策をした店舗が増えているものの、それでも万引きによる小売店全体の年間被害総額は4500億円以上(2011年調べ)にものぼる。
死活問題だが、小規模書店で防犯カメラや警備員といった防犯対策に費用を掛けるのは難しいのが実情
画像はイメージ
万引きは警察に即通報するという張り紙は、ささやかだが販売店側の抵抗。
◆「転売目的」の万引きも相次いでいる
軽く見られがちな犯罪であるためか、商品目的ではない犯行も多い。
実際に平成26年8月に起きた「まんだらけ万引き問題」で万引き被害を受け、犯人の顔情報公開宣告で社会的影響を与えた「鉄人28号のブリキ玩具」も転売目的の万引き犯行であり、転売されたことがきっかけで犯人が逮捕されている。
まんだらけ万引き問題
2014年8月4日「まんだらけ」中野店で、野村トーイ製の「鉄人28号 」(約25万円)のブリキ人形が盗まれる万引き窃盗事件が発生。これに対し、まんだらけは自社のウェブサイトで犯人と思われる男の顔写真をモザイク入りで公開、「8月12日までに返しに来ない場合、顔写真のモザイクを外して公開する」という旨の呼びかけを行った。
法律関係者は、一企業が勝手に顔写真を晒す行為は「人の名誉に対して害を加える告知をしているといえるので、店側が脅迫罪として処罰される可能性がある」と指摘。また、警視庁も中止を要請。これに対してまんだらけでは、「法的リスクを承知のうえで公開する」としていたが、最終的に中止を決めた。
同年8月19日に警視庁捜査3課が、千葉市在住の50歳のアルバイトの男を窃盗容疑で逮捕。同月7日に中野区内の別の古物商に64,000円で売却しており、そこから関与が浮上した。同月31日の判決公判では「転売目的で高額な玩具を狙って万引きしており、刑事責任には相応の重さがある」としつつも、転売先とは示談が成立し、玩具がまんだらけに返還される見込みであるほか、弁償も一部済んでいるとして刑の執行を猶予するのが相当とだとし、懲役1年、執行猶予3年の判決が言い渡された。
◆万引きの摘発件数でも異変が…高齢者の万引き増加が社会問題に
全国で1年間に万引きで逮捕・書類送検されるなどの高齢者は2万8673人と過去最多(2012年時点)
出典:万引き被害でお困りの方へ|顔認証万引き防止システム【LYKAON】-エナジール株式会社-
万引きで摘発された総件数のうち、3割近くが高齢者
万引き犯行に手を伸ばす高齢者は、商品を購入可能な現金を所持していながらも万引きをしてしまう傾向があります。生活苦、認知症、孤独感、勿体ないという出し惜しみ、将来への不安、心理的な要因から犯行に及んでしまう。
出典:万引き被害でお困りの方へ|顔認証万引き防止システム【LYKAON】-エナジール株式会社-
万引きにはしる高齢者は孤独感を抱えた一人暮らしが多いため、万引き犯行で故意に悪いことをして話し相手を探す人もいるほど
◆なぜ「万引き」が減らないのか?
なぜ防止に至らず多発するようになってしまったのか。主に、こちらの6つが要因とされている。
【万引きの6つ要因】
①犯罪意識が欠落
②転売マーケットの拡大
③異常に高い再犯率
④不況による失業者の増加
⑤店舗大型化による従業員1人あたりの防止対策可能な守備範囲問題
⑥アルバイト・パート雇用比率増加による従業員の内部犯行増加
◆万引きの新名称に「窃盗」「醜悪窃盗」「泥棒」など
「東京万引き防止官民合同会議」にて、「万引き」という名称が軽過ぎるとし、呼称を買えた方がいいのではという提案が小売業者から出た。
様々なトピックで問題提起ができる「掲示板ミクル」では、「万引きに変わる新しい呼び名は?」が呼びかけられ、様々な意見が書き込まれた。
「無銭窃盗」「店頭窃盗」「怪盗かまってちゃん」「窃盗」「泥棒」「だましうち盗み」「店頭強盗」「手癖盗」「醜悪窃盗」「羞恥窃盗」「大恥窃盗」
◆さまざまな要因がある中、やはり犯罪意識低下を抑止するために「名称変更」は必要なのかも。twitterからも様々な声が。
万引きの名称変更には賛成だけど、今のお偉いさんのセンスからすると恐ろしく残念な結果になりそう…「母さん助けて詐欺」って「おれおれ詐欺」よりわかりやすくなってるって本気で思ってる?
小売業協会が「万引き」を「窃盗」に名称変更要請したというけど。だったら援交は売春、虐めは暴行脅迫、殺人未遂と変更すべきでしょ。
テレビで「万引き」の新名称についてやってるけど、やったら恥ずかしくなるとか家族がキンジョニ顔向け出来ないような名称にしないと効果無いよ。
「生活苦窃盗」とか「金無しどろぼう」とかどうよ?
「万引きに新しい名称を!」ってやってたけど、窃盗以外の名称つけりゃまた「泥棒とは違うのだよ、泥棒とは」なんてことになりかねないんで窃盗でいいと思うぞ
万引きの新名称に「窃盗」「醜悪窃盗」「泥棒」など - 夕刊アメーバニュース t.co/T1jinhBJ2a #news @newsamebaさんから
「窃盗」でいいんじゃないかと。下手に凝ったところで、「母さん助けて詐欺」みたいに使われなくなるのがオチだぞ。
承前) しかも今は万引きじゃない別の名称を考えようとか意味不明な計画もあるとか。
窃盗は窃盗だろうよ、それをわざわざ言い換えた上に更に別の言葉にしてどうするんだか…