◆難解な方言として有名な『津軽弁』
津軽弁(つがるべん)
津軽弁(つがるべん)は、青森県津軽地方で話される日本語の方言である。東北方言(北奥羽方言)に属する。
他県の人にはほとんど理解できないため、全国放送のテレビ番組では津軽弁に対して共通語の字幕を付けることが多い。
共通語とは発音が大きく異なり、独特の言い回しが多いため、難解な方言として全国的に有名である。
◆そんな津軽弁を解説した「大学の教材」が話題となっている。
馴染みのない人にとっては、理解するのが難しいとされる東北弁。なかでもクセが強いと言われるのが、津軽弁だ。それを解説した青森県・弘前大学の教材が話題になっている。
医学部の学生が使用するもので、「グダラどなる(筋弛緩する)」「グシラメグ(けだるい、気分がすぐれない」など、たくさんの方言が収録されている。
@picca009 津軽出身なので、ほぼわかります。年寄りを相手にする事が多いだろうから、ますます難解なんですよね。ネイティブ津軽弁だから。
・イントネーションによって意味が変わってしまうものまであるそう
@picca009 個人的に面白かったのはこのへん。アクセントのつく場所の違いで意味が変わる言葉も、言語を知る上では重要ですよね http://t.co/5aXgzTdDrH
『ハダゲル』…「る」にアクセントがつく場合は、「開く、広げる」の意。「げ」にアクセントがつくと「こすりそぐ」の意。
◆弘前大医学部では津軽弁が「必須科目」らしい
このテキストを使って「医療用津軽弁の授業」があるとのこと
@kazu_clinica 弘前大学だと医療用津軽弁の授業が2年生のときに1回あって、どうやら4年生のときにもやるっぽい。これからはじまるー
・昨年投稿されたこのツイートも話題となった。
弘前の医学部はこんなのも覚えなきゃいけないらしい。津軽勉、 http://t.co/QJGXk0jmjU
@Satoshi_Endo 津軽弁強い人は言葉がほとんど違うのと発音も違うので診察が大変そうです。
患者との意思疎通ができなければ、診療もできない。地域唯一の医学部、弘前大学の医者の卵たちにとって、「津軽勉」は笑い話ではない。
◆なぜ大学の医学部で方言を学習する必要性があるのか?
老人たちが多く集まるのが医療の現場。患者にしてみれば方言以外に適切な表現が見つからないのだろうが、医師や看護婦に伝わらない、あるいは誤解されるというのは深刻な問題のようだ。
共通語は万能ではない。多くの人々に用いられるがゆえの,細かいニュアンスを欠き,迂遠な言い方しかできないという欠点が見落とされている面も
例えば,津軽方言では,痛みを指す単語が複数ある。「イデ」はぶつけたときのような一過性の痛み,「ヤム」は持続痛,「ニヤニヤス」は腹部の鈍痛といった違いによってこれらの言葉は使い分けられており,津軽出身の医師であれば,「イデノガ ヤムノガ ドッチダ?」と聞くとのこと。
津軽の都市伝説とも言えるような事例だが,他の地域出身の医師(または看護師)が患者との距離を縮めようと方言を使ったが,「ノダバレ(腹ばいになりなさい)」と言うべきところを,誤って「クタバレ(死ね)」と言ってしまったというものがあるらしい。
津軽では,地元出身の看護師にとって重要な仕事のひとつが,医師と患者との間に立ち,いわば「通訳」の役割を果たすこと。
方言のなかには医療現場において大事な判断材料ともなり得ることばもあるのだが,方言のわからない若い医療従事者が増えることは医療現場において問題となる。
◆制作された教材…東日本大震災後に起きた医師不足も背景になっている。
この資料が制作されている背景にあるのは、東日本大震災後に起きた医師不足だという。
被災地への医師派遣が行われたものの、方言の強い老人の言葉が分からないという理由で断る人が現れた。このような方言によって起きる医療問題を解消するために、方言学者が制作しているものとのこと。
皐月ふう(橘月鈴呉)@怪談蒐集始めました@tachibanaduki
こういうことについて調査研究・実用化目指してる学者が、弘大すぐ近くの大学にいてだな・・・ RT @picca009: 出た!弘前大医学部名物!!! http://t.co/o8kLUTc8Ap
皐月ふう(橘月鈴呉)@怪談蒐集始めました@tachibanaduki
医療用津軽弁の本についての便乗ツイートが、何人かにRTしていただけてるみたいで・・・
ちなみに、ツイートで言ってた先生ですが、前にケンミンショーにも出てました。見ててビックリしたお。
その先生の演習で、私は愛知の医療方言の表を作りました。三河弁でも、聞いたことない言葉多かったお!
皐月ふう(橘月鈴呉)@怪談蒐集始めました@tachibanaduki
↓続き
その演習で先生が言ってたのが、東日本大震災の後、被災地で医者不足になったけど、他の地域からのお医者さんが、特にご老人の言葉が分からないからと、他地域からの派遣を断った事例があったとか・・・
そこから、方言学者として出来ることをと考えたらしい
◆弘前大で「津軽弁講座」を行った地元開業医の言葉から、「方言」を学習する意義が読み取れる。
弘前大学医学部のOBで現在は市内で開業医をしている沢田美彦医師は、母校で津軽弁の講義をしたことがある人物
昭和52年 弘前大学医学部卒業
昭和56年 弘前大学大学院修了(第1内科)
昭和57年 米国メイヨー・クリニック留学
昭和59年 弘前大学医学部第1内科
昭和63年 青森県立中央病院消化器内科
平成04年 弘前市立病院内科
平成07年 開業
『医学津軽弁』の講義でしたが、最も強調したことはコミュニケーションの大切さです。
出典:沢田内科医院
日常診療では、話を聞いて診察すれば多くの場合解決できます。そのためには、患者さんから言葉で状態をうまく説明してもらうことが重要です。
出典:沢田内科医院
「もう一つ、医学生に対して伝えたかったことは、津軽弁を拒否しないで欲しいということでした。津軽弁で医師に話しかけた時に、拒否するような態度を見せると患者さんは黙ってしまいます。結果として、正しい診断に到達することができず、適切な医療を提供できなくなってしまうからです」