◆世界には「安全な水」を得ることができない人々が多く存在する。
ここ日本では、飲料水は当たり前の存在なのだが…
その中の約4億人以上が「子供」
ひとりの子どもが生きるためには、1日あたり、少なくともバケツに2杯-20リットルの安全な水が必要といわれています。 これは飲み水や食事に使う水、そして身体を清潔に保つために基本的な衛生環境を保つのに最低限必要な量です。
しかし、こうした安全な水を十分に得ることができず、単純な下痢性の病気で、毎日4000人、毎年150万人あまりの子どもが命を落としています。
「安全な飲料水の確保」は人々の健康や命の問題につながります。実際に、世界では毎年180万人の子供たちが不衛生な水等を原因とする病で命を落としています。
中でもサハラ以南のアフリカでは、子どもたちの43%が不衛生な水を飲み、5人にひとりが15歳になる前に亡くなっています。
◆そんな中、「生水を飲料水に変える」という魔法の種が発見された。
しかし、そんな人達に希望の光を当てるある種が発見されました。それが、「Miracle tree(奇跡の木)」とも呼ばれている木から採取される『ワサビノキの種』です。
その名も『ワサビノキの種』
◆『ワサビノキ』は別名「モリンガの木」として様々な効用があることで知られていた。
「奇跡の木」と呼ばれるワサビノキ科。別名「モリンガの木」
ワサビノキ属(ワサビノキぞく、山葵の木属、学名: Moringa)は、アブラナやフウチョウソウに近縁の属で、単型のワサビノキ科 (Moringaceae) を構成する唯一の属。アフリカから南アジアの熱帯から亜熱帯にかけておよそ十数種が分布。
その他モリンガ、ドラムスティックの木(細長くて三角型の種鞘の外観から)、西洋わさびの木(西洋ワサビに似ており、根の味から)、ベン油ツリーまたはベンゾイル木(種子から採れる油から)等と呼ばれることもある。
日本でも健康食品として販売されている。
モリンガの種を食べることにより、本来、自分が持っている免疫力が上がり、細胞の自然治癒力を活性化させ、体内の浄化作用も活発に。モリンガの種は消化がよく、簡単に栄養を摂ることができます。タイでは古くから体内浄化、滋養強壮として食べられてます。
種子からとれるモリンガ油は、時計用にも用いられるような最高級のマシンオイル(機械油)とされている。
モリンガ油
モリンガの花や種子のオイルは、香水や石鹸、シャワージェル、シャンプー、ボディークリームなどの化粧品を作るときにも利用されています
◆この『ワサビノキ』に浄水効果があるということがアメリカの大学の研究によって明らかとなった。
ペンシルバニア州のペンシルバニア州立大学の化学工学教授Darrell Velegol氏は、ワサビノキから摂れる種に着目、研究の結果「ワサビノキには浄水効果がある」ということが分かりました。
出典:http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20150912/Curazy_104723.html
ワサビノキの種に含まれるプロテインが、生水内のバクテリアを駆除し、ボトルの底に沈殿させる役割を持っていた。
モリンガの種を砕いて濁った水に加えると、種が不純物に吸着して下に汚れが沈殿し、極めて透明度の高い澄んだ水が出来上がる
微生物や土砂などもフロック(固めて)沈降するため、 濾過すれば飲用が可能になる。
古代エジプト人もこの種を砕いて浄水に使用していたのではとも言われています。
実際にこのモリンガの浄化システムを通して、アフリカやアジアでは飲めない飲み水を飲めるように変身させているところも増えている。
・最新の研究によりどうやってバクテリアに作用しているのかが解明された。
そのメカニズムとは、ワサビノキの種がバクテリアの細胞膜を溶かすことで死滅させているという内容。
出典:http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20150912/Curazy_104723.html
細胞膜とは、細胞を守るために存在するものであり、一旦この膜が破られてしまうと細胞は生存不可能になってしまう。ワサビノキは、この大腸菌や微生物などの細胞膜を自らのプロテインで溶かしていた。
◆現在、発展途上国でこの『ワサビノキ』の植樹を計画中
メカニズムが解明され、人体に安全であるということが証明されたことで、研究チームは植え込みの計画を開始。
しかしながら、ワサビノキの種の効果は収穫時期などに左右されることがあることも分かっており、現在は最適な時期を調査中
現状、雨季に収穫されたものが最も浄水効果が高いことは分かっていますが、雨季以外にも収穫が出来なければ安定した収穫が望めません。そのため、雨季以外にも浄水能力が高い種を収穫できる時期を探しているとのこと。
◆発展途上国だけでなく、ここ日本でも災害時には必要となる「安全な水」。
地震、台風、津波、火災、竜巻などの大きな災害が起こった場合、まず復旧しなければならないといわれているのがライフライン。
通常このライフラインは電気・ガス・水道 ・通信・輸送のことを指しますが、この中でも生命の維持に直接関連するのが安全な水の補給。
◆そんな災害時に、汚水をたった数秒で飲料水に浄化させるろ過装置が発明されていた。
その名も…汚染水ろ過装置「ライフセーバー」
ろ過と殺菌を電気や動力、薬品類も一切使わずに瞬時に飲み水を作ってしまう脅威の携帯型完全浄水器ライフセーバーボトル。
海外救援隊はもとより、過酷な地域で働く軍隊の飲料水確保方法として、また第三国の悲惨な水状況を改善するための方策として今世界中で需要が増えています。
これ一本でなんと約4000リットルを浄水することが可能です。
ライフセーバーシステムのフィルターの穴の大きさはたったの15ナノメートル、どんな細菌もウイルスも通過することが出来ないのです。つまり、ろ過と同時に殺菌と同じ効果が瞬時に期待できる。
NATOやイギリス軍も愛用、世界中の災害現場、人道支援など様々な場面で活用されている。
◆この発明をしたマイケル・プリチャード氏の目標も世界中に「安全な水」を届けること
開発したマイケル・プリチャード氏
発明者のマイケル・プリチャード氏は、2004年12月のスマトラ沖地震に伴う津波被害、2005年8月のアメリカ南東部、ルイジアナ州を襲った大型ハリケーン・カトリーナの悲惨な状況下での深刻な飲料水不足を目にし、世界を災害時の飲料水不足から救う為に開発。
開発したマイケル・プリチャード氏はTEDで驚くべきデモを披露している。一見の価値あり。