◎ミッフィー生みの親、ディック・ブルーナさん、活動休止発表
ウサギの女の子のキャラクター「ミッフィー」の生みの親で、オランダの絵本作家、ディック・ブルーナさん(86)が2014年7月30日に活動中止を発表した。現地メディアが報じた。新しいキャラクターは今後もう出さないという。
◎1927年、オランダ生まれのブルーナ氏
絵が好きなおとなしいタイプの少年で、いつもスケッチブックに絵を描いてはそれを大切にしていた。また、父が出版社を経営していたこともあって、さまざまな本に読み親しんだ。
◎高校中退 、美術館や画廊を精力的にまわる
フェルナン・レジェやアンリ・マティスといった現代芸術家たちの作品に、ディックがそれまで抱いていた絵画のイメージを大きく覆すほどの強い衝撃とインスピレーションを受ける。
◎1955年、ミッフィー誕生!
海岸で見たうさぎを描いたのが1955年だったが、これがミッフィー本が爆発的にヒットする原点となったのである。
◎オランダ語では「ナインチェ」
オランダ語でうさぎは「konijn(コネイン)」、それに小さくてかわいらしいものの語尾につける「tje(チェ)」を加えて名づけられたのが「ナインチェ」なのです。また、名字の「プラウス」は「ふわふわ」という意味とか。
オランダやベルギーなどでは当然「ナインチェ」の名前で親しまれており、「ミッフィー」とは、1960年にイギリスで絵本が発売される際につけられた英風の名前。
◎日本では「うさこちゃん」
日本で初めてミッフィーの絵本が発売されたのは1964年。その際に、翻訳家の石井桃子氏が「うさこちゃん」と訳し、それが日本でもすっかり浸透したのはみなさんもご存じの通り。
◎その後、日本でも「ミッフィー」が浸透
その後、日本でも福音館書店以外の絵本やアニメは”ミッフィー”を使用するようになった。
◎斬新すぎて、当初は大人には理解されなかった…
斬新でモダンなキャラクターたちに、大人たちは「子供には理解できない」と敬遠していたのだが、シンプルな線と明解な色彩は子供たちの支持を得た。
◎シンプルな線と明解な色彩は子供たちの支持を得た!
太いラインと原色使いは、オランダのモンドリアンやファンデル・レックそしてリートフェルトなどが属していたデ・スタイル派の影響があったと捉えられることが多いが、ブルーナ氏自身によればフランスのアンリ・マティスに大きなインスピレーションを得たという。
◎1971年、ブルーナ氏独立
1971年、アムステルダムにディックの著作権を管理するメルシス社を友人のピーター・ブラティンガとともに設立。そして創作に専念したいとの思いから、1975年にブルーナ社を退職する。
独立後、社会福祉関係の仕事にも力をいれ、障害者向けの案内記号、歯の健康、献血、赤十字などの公共広告のポスター、デザインを数多く手がけた。
◎子供たちの目線で創作活動を続ける
また創作のみならず、様々な場所で子供たちに絵本を読み聞かせるイベントを行い、常に子供たちの目線で見つめ、考えて、それらは創作の情熱にもなった。
◎ブルーナ氏の絵が正面向きの理由
原作者のブルーナさんの描く絵本に出てくるキャラクターは、いつでも必ず正面向き。「読者といつも対話していたい。子どもたちの真っすぐな目に応えたい」という思いが込められているため。
◎ブルーナ側とサンリオが訴訟問題となるも…
キャシーは、サンリオを代表するキャラクター「ハローキティ」の友達として描かれているウサギのキャラクターです。メルシス社は、同キャラクターがブルーナさんの代表的なキャラクターであるミッフィーの著作権と商標権を侵害しているとして、サンリオを提訴していました。
◎両社は訴訟を取り下げ、震災の義援金として寄付
そんな中、3月11日に発生した東日本大震災を受け、両社は「訴訟を行うことにより費やす両社の諸費用をむしろ日本の復旧・復興のために寄付すべき」という結論に至ったとのことです。今後は両社のキャラクターを相互に尊重する立場を堅持し、共同で被災地のために15万ユーロを寄付すると発表しています。
◎86歳になったブルーナ氏「これからは気楽に」
The Nijntje book that came out in 2011 is the last that the 86-year old will ever illustrate because he says he wants to take it easy at his age,
「もうこの歳なので気楽に生きたい」2011年に出版されたナインチェ(ミッフィー)の本は86才で最後になります。
◎資産は推定50億円…
ディック・ブルーナ氏はオランダの著作家の中で最もお金持ちで総資産4200万ユーロ(約50億円)と見積もられている。