◎グリーンランドの「北極冬季スポーツ大会」で雪不足
グリーンランドで2年に1度行われるスポーツイベント「北極冬季大会」の開幕を前に、高温のため雪が不足し、周辺で調達した雪をトラックで運び込む事態になっている。
◎平均気温を上回る事態、調達に奔走!
1・2月のグリーンランドの気温はこの時期の平均を5─6度上回っており、1月20日にはヌークで摂氏10度を記録した。
◎グリーンランドはどんな国?
面積は日本の約6倍で、85%ほどが氷に覆われています。地球最大の真水の貯留庫で、全体の7%超がグリーンランドに蓄えられています。
出典:http://japan.um.dk/ja/infor-about-denmark/greenland_site/
◎入植希望者を願い、名付けられたグリーンランド
エイリークはグリーンランド上陸より前、アイスランドを発見していた。
彼が命名したアイスランドは、その名称故に入植希望者が現れなかった。そこで彼はこの地に入植希望者が多数現れることを願い、「緑の島」と名付けた。
◎主要産業は漁業とその加工業、主にエビ!
主要産業は漁業とその加工業で、これらのみで輸出の87%を占める。特にエビはその半分以上を占めており、日本向けにもロイヤル・グリーンランド社を通じて多くのエビが輸出されている。
◎しかし、地球温暖化の影響でグリーンランド経済にも影響が…
最新のデータから、グリーンランドと南極の氷が解けるペースが加速しており、海水の温度上昇と膨張がこれまでにないスピードで進んでいることが分かったという。
米航空宇宙局(NASA)の科学者がこのほど、「地球温暖化により、今後100~200年で海面が1メートル以上上昇することは避けられない」とする研究結果を公表した。
氷河は大量の氷山を海に放出しており、この影響で今後数十年間に海面が上昇するという。
"CHASING ICE" captures largest glacier calving ever filmed - OFFICIAL VIDEO
出典元:YouTube
◎犬ぞり漁や観光業には痛手
海氷が薄くなったために犬ぞりで氷上を移動する漁をあきらめ、犬たちを死なせる道を選ばざるを得ない漁師たちもいる。
グリーンランド観光最大の目玉、イルリサット(Ilulissat)のフィヨルド観光では、溶けだした氷床が大きな氷の塊となって漂流し、しばしば観光クルーズ船の障害となっている。
◎そこで温暖化を逆手に!経済発展!?
地球温暖化を食い止めようと世界が奮闘を続けるなか、グリーンランド(Greenland、デンマーク領)では気温や海水温の上昇を新たな漁業や輸出拡大、農業技術の革新につなげようとの動きがある。
◎ほかの種類の魚もとれるようになった!
海水温の上昇に伴い、ほかの種類の魚もとれるようになったのだ。
デンマーク技術大学(Technical University of Denmark)のブライアン・マッケンジー(Brian MacKenzie)海洋生態学教授は「今世紀も夏の気温上昇が続けば、グリーンランド東部沖では毎夏クロマグロが回遊するようになるだろう」と予測する。
◎岩粉の輸出で世界の各地を豊かな農地に!
グリーンランドの人々にとっては厄介でしかない岩粉だが、アフリカや南米に輸出すれば岩粉の養分が不毛な土地を豊かな農地に変えてくれる。
◎良質なジャガイモの生産!
さらに温暖化はグリーンランドの農業にも恩恵をもたらす。グリーンランド南部では夏季の気温が上がったことでジャガイモの生産量が増え、将来的には輸出を見込んだ生産規模の拡大がのぞめそうだ。
世界のジャガイモ農家は収穫がすべて台無しになりかねない有害微生物の脅威に直面しているが、コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)で微生物学を専門とするピーター・ストーガード(Peter Stougaard)准教授によれば、グリーンランド南部の土壌にはこうした有害な菌の成長を抑制する微生物が含まれているという。